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本当にやりたいことに気づくメンタルレコーディングとは?

 いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第73回

本当にやりたいことに気づくメンタルレコーディングとは? 私は自己啓発の手法として「メンタルレコーディング」を推奨しています。メンタルレコーディングではその名の通り、出来事に対する自分の思考や感情と言ったメンタル部分を記録していきます。普通メモというと日時や数量や相手の発言といった「外側」について書き留めますが、メンタルレコーディングが扱うのは「内側」です。

 なぜそんな記録が必要なのかというと、記録する機会を設けなければ、私たちは自分と向き合うことができないからです。人間は1日に6万回から10万回、「ああでもない、こうでもない」と思考していると言われています。その内容は「つまらない」「早く帰りたい」と言ったその場限りの断片的な思考から、「今の仕事を続けていていいのかな?」という年単位で影響するような長期的な思考まで様々です。

 そして、その比率はその場限りの断片的な思考が大半を占めています。この断念的な思考の洪水によって、自分の人生に影響を及ぼす長期的な思考が心に留まらず押し流されてしまうと、環境に不満を抱きながらも変化を起こせずに、悶々としたあるいは鬱々とした毎日を送ることになります。

本質的な思考は砂金のようなもの


 メンタルレコーディングはそんなおびただしい数の表面的な思考から、一握りの本質的な思考を掬い上げようとします。それは例えるなら、「砂金取り」のようなものです。私の故郷の新潟県には、かつて日本有数の採掘量を誇った佐渡金山があります。すでに閉山し観光地化されていますが、今でもアクティビティとして砂金取りが体験できます。

 砂金取りでは「パン」と呼ばれる段差のついたお皿で砂をすくい、それを何度も水にさらします。砂金は他の鉱物よりも重いので、段差に残る仕組みです。この砂金取りにおける「砂金」と「他の砂粒」の関係と、メンタルレコーディングにおける「長期的な思考」と「断片的な思考」の関係は全く一緒です。

 長期的な思考は断片的な思考よりも「重い」のです。もちろん思考には形もなければ重さもありません。ただ、思考はその人の持つ信念に関係しているほど「重み」を増します。だからこそ私たちはなんでもペラペラ喋る人のことを「口が軽い」と指摘し、重大な内容が含まれていて口外するのが躊躇われるようなことを話す時に「重い口を開く」と表現します。

「大切なことなら忘れない」とか「忘れるくらいだから大したことではない」といった主張は偽りです。「あれ、今何を思いついたんだっけ? 絶対いいアイディアだったのに!」と臍を噛んだ経験は誰にでもあると思います。そういった損失を減らし、収穫を増やすのがメンタルレコーディングの目的です。

 心をつぶさに観察すると認識力が向上して、様々なことに気づけるようになります。仕事のアイディア、人間関係に対する洞察、そして何よりも「自分が何をどう考えているのか?」という信念。メンタルレコーディングで拾い上げる「長期的な思考」が砂金であれば、それによって気づけるようになる「信念」は金山に走る金脈そのものと言えます。それも場合によっては、自分という存在を貫く大金脈だったりします。

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メンタルレコーディングで心を整える

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