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花札、丁半、パチンコ、公営競技…和式ギャンブルでギャンブルツーリズムは成功するのか?

花札、丁半など和式ギャンブルは日本版IRに導入されるのか?

手本引

日本独自のギャンブルである花札、手本引、丁半などが日本版IRで登場するのはかなり先になる!?

──世界中のカジノがお客さんの取り合いをしている中で、日本のカジノはどう差別化を図るんでしょうか。例えば花札や丁半博打といった日本独自のゲームは、外国人にとって魅力的に映るように思いますが。 木曽崇:リアルの花札を使ったゲームや、お姉さんがサラシを巻いてツボを振るようなサイコロ賭博は、すくなくとも当面はできないです。新しいゲームを導入するには、そのゲームでは不正がどういうふうに起こりうるのか、それをどうやって防ぐのかのノウハウ・知識が不可欠です。これから新しくカジノを合法化する日本で、新しい日本独自のゲームを入れて、不正を防ぐためのルールをつくるところまでには行き着かないと思います。やるんだったら、もうちょっと落ち着いてからです。 POKKA吉田:花札やサイコロのノウハウを持ってんのは、ヤクザもんばっかりやん(笑)。まさか政府がヤクザもんからノウハウを聞き出すなんてあり得ないしねぇ。 木曽崇:先のIR整備法の国会審議の中でも、日本のカジノはグローバルスタンダードに則るんだという主張がありました。海外のカジノで採用されているゲームが、日本では採用されていないような事態はまずいから、基本は国際水準に合わせたい、ということですね。その一方で、日本の独自ゲームに関しては、これまでほとんど議論されていません。そういう状況ですので、日本版IRは、ごく一般的なカジノとして始まります。もちろん、カジノがスタートして一定程度落ち着いた段階になれば、じゃあ日本のカジノとはなんぞやという部分を再整理するべきだと思うし、僕も積極的に言っていくつもりです。 POKKA吉田:そもそも、将棋、囲碁、麻雀、ツボ振り、手本引き、賽本引き、その他なんでもいいけど、そういう日本だからこそできるゲームを外国のお客さんに提供しようと言っているのは、日本人ばかりですよね。当の外国人は、そんなこと求めてないよ。 木曽崇:日本側の人の多くがそうなんですが、「日本独自の」って言いたがりなんですよ。そういう人は、特に丁半と花札を挙げて「国際観光客にアピールだ!」って言うんですけど、でも丁半も花札も国際的にはスタンダードなゲームじゃないでしょう。誰もゲームのルールを知らないんだから、そんなもの「もの珍しさ」以上のなにものにもなりませんよ。 POKKA吉田:規制が関わってくるゲーム内容で日本を強調するのでなく、まずはディーラーのお姉ちゃんに着物を着せたり、VIPテーブルを和室にしたりすればいい。日本好きな外国人だったらそれだけで「アアーッ! 畳の部屋やー! ファンタスティック! アメイジング!」って叫びますよ。 木曽崇:「日本独自の」と言っている人と僕は基本スタンスが違います。日本の伝統芸能では、「守破離」という考え方があるじゃないですか。まずは先人の残した型を守りながら修行を積んでいき、力がついたところで初めて既存の型を破って自分なりの新しい型を確立するというね。それを思うと、ちゃんと確立したものがまだなにもない日本のカジノ産業が、いきなり「日本独自の」なんていうのはありえないですよ。そもそも日本人ってもともと独自性を訴えるような民族じゃないでしょ? 我々は真似をして改良を加えながら、発展してきた民族じゃないすか。なのに急に「アメリカでやってないことをやりましょう!」なんて、おこがましいです(笑)。これから初めて新しい産業をやるんですから、まずは海外の模倣からですよ。すでに実績あげてるところをトレースするのが基本でしょうね。 ──海外のカジノで、地域性を出しているところはあるんですか? 木曽崇:アメリカにはアメリカ独自のゲームがあるし、マカオにはマカオ独自のゲームがあります。とくにダイス(サイコロ)ゲームに関しては、けっこう現地色があるんですよ。アメリカのクラップスや、マカオの大小などは、日本でいう丁半博打に近いですね。ただそういう独自性の高いゲームは、カジノ運営の長い歴史があるからこそできることなんです。 POKKA吉田:俺の場合は、日本でバカラができれば、それでええもん。バカラは絶対できるじゃん。 木曽崇:まずはそこですよ。グローバルスタンダードで、日本に来るようなアジア圏のお客様が好んでやるゲームを、まずは優先しなくてはいけない。誰も知らない、日本人しか知らないようなゲームをやって、「これが国際的にアピールするんだ、独自なんだ」みたいな態度は、お客様の視点に立っていない、ただの押し売りですよ。  日本版IR……その独自色はどのように出していくのだろうか。今後の流れには注目したいところである。 【POKKA吉田氏】 ぱちんこジャーナリスト。パチンコ業界紙『シークエンス』の発行人・編集長。近著に『パチンコが本当になくなる日』などがある。メーカーが主催するセミナーで講師も務めている。 Twitter:@POKKAYOSHIDA 【木曽崇】 国際カジノ研究所所長。日本では数少ないカジノ産業の専門研究者。近著は『「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』(’17年、光文社新書) Twitter:@takashikiso 構成/野中ツトム、松嶋千春(清談社) 勝SPA!SPA!が運営する日刊SPA!内のギャンブル情報サイト「勝SPA!(かちすぱ)」の取材班。Twitter(@kspa_official
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