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「カロリーオフ商品ほど糖質が多い」事実におどろいた/金森重樹

「ダイエット脂肪肝」の恐怖

ヘルシーだからといって、野菜偏重も問題。タンパク質や脂質を適切な量、摂取することが大事だ。

 これは先日、僕がランチにホテルのビュッフェへ行ったときのこと。その際にとてもにぎやかな婦人会に遭遇したのですが、なんの気なしに彼女たちの皿を見ると盛られているのは、たっぷりの野菜とスイーツ。肉や動物性の脂肪は見事にありませんでした。  野菜をたくさん採って、脂肪を抑えたヘルシーな食事をしているご婦人たちは、みな一様にガリガリで肌ツヤも悪く、くすんでいる。  そこで僕が思ったのは「ああ、やっぱりな」ということでした。もちろん個々人の数値はわかりませんが、痩せていて脂肪肝になるのは、この手のタイプなのです。  肝臓の中性脂肪は、水に溶けず、タンパク質とくっつくことで細胞に運ばれます。しかし野菜ばかり食べて、タンパク質を摂らないと肝臓の中性脂肪はカラダに運ばれることなくどんどん肝臓にたまっていき、やがて脂肪肝になる。これは低栄養性脂肪肝、別名「ダイエット脂肪肝」とも呼ばれています。 ※参照 栄養障害steatohepatitis:その根底にあるものは何か? https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo1960/39/1/39_1_1/_pdf

本当の意味で「バランスの良い食事」とは!?

 また糖質制限をしている人の中には、「糖質ゼロ麺」ばかり食べている人もいますが、こればかり食べていては痩せるはずはありません。というのも一袋180g中のタンパク質はわずか1.0g。180gも食べるとお腹はパンパンになり、肝臓にある中性脂肪を運ぶために必要なタンパク質を摂ることができません。  するとさきほどの婦人たちのように低栄養になり、肝臓の中性脂肪は溜まる一方に。もちろん糖質ゼロ麺は糖質制限においてはとても心強い食品ですので、むやみに量を摂らないことを心がけたいところです。ちなみに僕が一食に食べる目安は60gほどです。  本当の意味での「バランスの良い食事」とは、ヘルシーと言われる野菜ばかり食べたり、PFCバランスのことではなく、断糖して脂質とタンパク質を摂取し、「低栄養で低カロリー食品でお腹が膨れるのを避けること」なのです。

常識をまず疑うことが大事

 今号では調味料の宣伝文句に潜む危険性や、野菜だけにこだわる食事の危うさについて書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。健康や医療の情報ではまだまだ「常識とされている非常識」が跋扈しているのです。  今、頭にある常識を疑い、一度捨て去ったほうがいい。本連載のタイトルを「逆説の糖質制限 高脂質食ダイエット」と冠にしたように、常識=通説を疑い、徹底的にリサーチしたうえ、自分の身体で実践する。これが僕の一貫したスタイルです。次号以降も「間違った常識」について触れていきますので、お見逃しなく。 ●金森重樹プロフィール 70年生まれ。東大法学部卒業後、フリーター時代に1億円超の借金をつくる。不動産会社に就職後、29歳で行政書士として脱サラ。現在は不動産、建築、医療法人など年商100億円の企業グループオーナー、ビジネスプロデューサー。ツイッターは@ShigekiKanamori 取材・文/アケミン 構成/浜田盛太郎
企業グループオーナー。作家。断糖高脂質食で30㎏以上の減量に成功。現在は健康長寿の人類学研究に勤しむ。著書『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速”脂”ダイエット』『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』。ツイッター@ShigekiKanamori

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