いくつになっても埋まらない恋愛格差
確かにイベント自体の雰囲気は良いのだが、どんなに盛り上がっていても、結局最後に持っていくのは
“ちょい悪オヤジ”みたいな、女慣れしてるオッサン達なのだ。女性との連絡先の交換も本来ならイベント終わりにスタッフを介して行なわないといけないのだが、
“ちょい悪”たちはそんなの関係なし。直接LINE交換なんかもしている。なんならイベント終わりに女性陣を連れて2次会に行くという離れ業もやってのけている。
私と話している時は
母性丸出しだった女性たちも
“ちょい悪”相手には、すっかり
女の顔だ。私を含め、残った草食系おじさんたちは、いつもただ指をくわえて見ているばかり。
いくら歳をかさねようとも、もともとあった恋愛格差はなくならないということか。いっそのこと、
“ちょい悪オヤジ”たちにくっついていって、おこぼれをもらおうかとも思ったが、なかなかそうもいかない事情がある。
婚活系イベントの場合、基本6人がけのテーブルに男3、女3でつき、時間がきたら男性陣だけがテーブルを移動する形式をとる。だから最初に組んだその3人とは、会の終わりまでずっと行動を共にすることになるのだが、その3人もこちらで自由に選べるわけではなく、運営スタッフに指定されるのだ。
運営側でメンバーのバランスをとっているのかわからないが、毎回私が組むのは、まったくしゃべらない
コミュ障おじさんとか、空気を読まない
KYおじさん。死別した妻との思い出を延々語るおじさんや緊張のあまり飲みすぎて、後半ベロベロになっちゃうおじさんさんなど
“モテないーず”ばかり。ちょい悪オヤジとの接点など持てない状況だ。
それでも、なんとか頑張ってその場は盛り上げるのだが、まあ負け戦である。この間なんか
「いやー、こんなに盛り上がったのは初めてだよ。ありがとう」と一緒にまわったおじさんにお礼を言われる始末。もはや何のために頑張っているのか、よくわからない。
さすがにここまでくると「Meeting Terrace」での活動を続けるかどうか迷うところだが、辞めたところで後輩たちの合コンに行けば
“おっさん扱い”され、残ったところで
“若造扱い”で相手にされない。もはやどちらに転んでも地獄のように感じるが、
“若造扱い”されるだけ後者の方がマシか!? いっそのこと、50代になるまでここで頑張ってみようかな……。
そんなことを思いつつ、イベントから帰る道すがら、街中のショーウインドウに映った己の姿が
“紛れもないおっさん”だったことに我に返り、速攻で退会を決意した40歳の夜なのであった。 <取材・文/日刊SPA!取材班>