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美味しい日本酒やウイスキーを飲んだときにSNSなどで共感を得られる表現とは?

ウイスキーの美味しさを表現するときのフレーズは?

 ウイスキーの場合は、英国Paragraph Publishing社が発行しているウイスキー専門誌「WHISKY Magazine」の表現を参考にしてみましょう。  筆者が大好きなシングルモルトウイスキー「Ardbeg 10 Years Old」だと、香りではスモーキー、タイヤの燃えかす、ピート香、マーマレード、オーク、味わい(パレート)は、薬品、海藻、スモークなどと表現されています。「The Macallan Sherry Oak 10 Years」だと、甘草、ブラック・フルーツ、レーズン、フルーツ・ケーキ・ミックス、かすかにトマトの香りがして、シルクのようでドライフルーツと少しのクルミ、黒いフルーツとわずかなクローブの味と表現されています。  正露丸のような香りはピート香、ヨードチンキの香りはヨード香と言います。マンゴーやリンゴ、バナナ、パイナップル、レーズンといった果実の場合はそのまま言葉にすればOK。他には、香りでは、スパイス、シードオイル、シナモン、キャラメル、八角、コーラ、トースト、ヘーゼルナッツ、チョコレート、オレンジの皮、バニラ、コリアンダー、蜂蜜、イチジク、アーモンド、ラベンダー、カプチーノ、ペパーミント、ポップコーン、トフィー、セージ、バナナなどが使われます。

ウイスキーは蒸留酒なのでアルコール度数が高めですが、それでも香りや味わいは製品ごとに大きく異なります

 味では、チョコレート、イチジク、オレンジ、レモン、チェリー、バター、蜂蜜、胡椒、ナツメグ、キャラメル、ハーブ、紅茶、ナッツ、グレープフルーツ、シロップ、メンソールなどと表現されます。豊かな感じだと「リッチ」、滑らかだと「スムーズ」、樽の感じが強いと「ウッディ」、原料は植物ながらしっとりと油のような印象を受けるなら「オイリー」のように言うこともあります。飲んだ後に、余韻が続くようなら「アフターが長い」と言います。  上品、パンチのある、軽い、甘やか、など、食事にも使いそうな表現はだいたい使えます。ウイスキーは度数が高く、何杯もテイスティングしていると鼻や舌が麻痺してきます。本気でテイスティングするなら、飲みの前半にチャレンジするといいでしょう。  繰り返しになりますが、正解を出さなければいけないわけではありません。これはどういう香りなのか、どういう味わいなのかを自分に問いかける、という行為が、お酒をディープに楽しむためのキモになるということです。その上で、そのお酒が好みなのか好みでないのかを判断し、次回以降の注文に反映させていけばよいのです。  もちろん、人に自慢することでもありません。友だちでもない人に、見当違いの感想を巻き散らかすのは、かっこ悪いですね。大人なら、その飲みの場所にあった楽しみ方をしてください。  今日飲んだお酒をSNSにアップする際、一言でもいいので感想を追加してみましょう。「正露丸の匂いがするけど美味しい」「かすかにオレンジの皮の香りがするのが良い感じ」で、OK! 大きな一歩です。
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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