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今さら聞けないビールの基礎知識 ラガーとエールと自然発酵の違いは?

― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第24回 ―  ビールは醸造する際の方式によって、ラガーとエール、自然発酵の3つに分けられます。現在は酵母によって発酵させますが、昔は自然発酵で作られていました。今でも、ベルギーのランビックが有名で、赤身がかかった茶色をしています。日本にもいわて蔵ビールの「いわて蔵ビール・自然醗酵ビール」などがあります。とはいえ、自然発酵ビールはごく少数で、世界で飲まれているビールのほとんどがラガーかエールのどちらかになります。

自然発酵ビールでは、ベルギーのランビックが有名です

世界のビールの主流エールとラガーは何が違う?

 大麦麦芽を発行させる際、酵母が上面に浮き上がるタイプを「上面発酵」と呼びます。この上面発酵でできるのがエールビールです。逆に、発酵が進むと酵母が沈むタイプを「下面発酵」と呼び、この方式でできるのがラガービールです。

ビールを発酵させているところ

 エールビールは豊かな香りとコクのある味わいが特徴で、ラガービールはすっきりとして飲みやすいのが特徴です。日本で作られているビールのほとんどは、ラガービールです。「アサヒスーパードライ」も「新・一番搾り」も「サッポロ黒ラベル」もラガーです。とはいえ、上位ラインナップにはエールもあります。「ザ・プレミアム・モルツ<香る>エール」「キリン グランドエール」などが発売されており、今流行りのクラフトビールにもあります。「よなよなエール」などが有名ですね。

日本ではラガービールが主流です

 さらに、ビールには「ビアスタイル」というものがあります。原料や醸造方式、アルコール度数、歴史などで細かく分類されています。「BEER JUDGE CERTIFICATION PROGRAM」が公開している「2015 STYLE GUIDELINES Beer Style Guidelines」という資料で紹介されています。  日本で最も有名なビアスタイルは「ピルスナー」。下面発酵なのでラガービールです。チェコで生まれたスタイルで、ホップの苦みを効かせ喉ごしの良い、たくさん飲める・飲みたくなるのが特徴です。日本のラガービールはほぼ、このピルスナータイプなのです。このピルスナーにもジャーマンタイプやボヘミアンタイプがありますが、まずはざっくりとしたスタイルを押さえるだけでいいでしょう。他には「メルツェン」や「ボック」、「シュヴァルツ」といったスタイルもありますが、有名どころの数はそれほど多くありません。
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エールビールにはどんなものがある?
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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