人気の副業「結婚式の代理出席」…バレてトラブルになったことは?
「働き方改革」に伴い、政府も副業を後押しする昨今。スキマ時間に手軽にできるものから、まとまった元手や時間を要するものまで、その内容は多種多様だが、果たしてその明暗を分かつものは何なのか?
「報酬は披露宴の出席だけなら6000円ほどですが、受付やスピーチ、スピーチの原稿作成、二次会の出席など依頼内容や役割によって、報酬が上乗せされる仕組みとなっています」
そう語るのが平日は正社員として働きながら、副業として結婚式の「代理出席」の仕事を50回以上経験しているという青木慎太氏(仮名・29歳)。登録している代理・代行サービス会社の社長や社員とも交流があるという、この道のプロフェッショナルだ。さまざまな事情を持つ依頼者のため、本来、縁もゆかりもない結婚式などの催しに出席する「代理出席」の仕事は、その場にある程度、溶け込む社会性さえあれば、特別なスキルがなくても誰でも稼げる人気の副業になっている。
「プレゼンなど本業の仕事で普段から人前で話す機会が多いので、スピーチは積極的に請け負っています。依頼内容や出席者の設定などは会社の代表者が依頼者と事前に詰めるので、我々が依頼者と直接やりとりすることは基本ないんですが、最近は依頼者との打ち合わせも登録先の会社から任されるようになり、そこでも手当をもらっています」
平日が仕事の会社員でも無理なくできるうえ、こうした細かいオプションを含めると1回の結婚式で1万円台後半の報酬が手に入る。普通ならご祝儀を渡して、出席する式にお小遣いをもらって参加し、美味しい料理や引き出物を頂戴できる特典もあるという。しかし、代理出席であることがバレようものなら、式全体が台無しになるリスクもある。秘密保持が第一の仕事だけにほかの副業バイトと比べると、敷居はどうしても高めだ。
「私の登録先の会社は信用度でスタッフが3段階のランクで分けられ、一番信頼できる登録者たちから順番に依頼が投げられていく。経験者や内部にツテのある人が重宝されがちで、登録してもなかなか最初の仕事の依頼が来ない人も多いようです。なので、違う現場で同じ登録スタッフと出くわすことはしょっちゅう。人目のない裏ではスタッフ同士『吉田さんでしたっけ?』『今日は山本です』なんてやりとりもしています」
スピーチなどのオプションでまとめて稼ぐ
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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