人気の副業「結婚式の代理出席」…バレてトラブルになったことは?
ちなみに、年齢や見た目、既婚・未婚などの設定も依頼に合わせていく必要があり、本名で青木氏が出席するのは1~2割ほどとのこと。例えば、「新郎の大学時代の運動部の友人という設定の場合、体型などが考慮されることもあり、スタッフ登録の際は写真も登録する。
「依頼者の新郎から『新婦の女友達がほぼ未婚で、新婦がおせっかい焼く気満々なので結婚指輪して、出席できる人を集めてほしい』といった依頼もありましたね。たいていは代理出席のスタッフでテーブルも固まっていますし、大人しく料理を口に運んでいるぶんには特段難しいこともないですが、二次会は自然に会話しなければならない場面も少なくない。連絡先交換もトラブルにつながりますから、ボロが出ないよう気をつけます」
青木氏が登録する業者では結婚式の代理出席がバレて、トラブルに発展したことは一度もないとのことだが、これまでヒヤリとする瞬間がなかったわけではない。
「依頼者が適当な人で、よく実家に遊びにきていた小学校の友達という設定だったことがありました。ご両親がお酌に来たときに『あら、◯◯くん、ずいぶん細くなって。えらく顔も変わったわね……』と言われて、本当に困りましたね。あと、相手の新婦側の出席者に本業で取引関係にある大手企業の社員と鉢合わせたこともありました。業務上のかかわりはほぼなく、顔見知りではいなかったですけど、全然違う名前と会社の設定で出席していたのでヒヤヒヤでした」
何かしら違和感を覚えても、祝いの席ではわざわざ大ごとにはしにくい。仮に知人に遭遇しても会話をしなければ、なんとなく流してしまうことも多いのかもしれない。しかし、葬式の参列やセミナーなどイベントのサクラ、合コンの頭数合わせなど、そのほかの代理出席も行っており、なかにはトラブルと遭遇したケースもあったと明かす。
「大学の文化祭のミスコン投票で、たくさんの代行スタッフを参加させた不正が後日バレて、審査結果が取り消しになったことがありました。気を回した母親が依頼者だったみたいで。ミスコンに挑んだ本人は何も事情を知らないというのが本当にかわいそうでしたが」
会社の上司役で謝罪依頼、ミスコン審査で投票も
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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