人並みに仕事ができない人たちの苦悩「周囲に“またか”という顔をされるのがツラい」
多少、多動気味でも不注意でも「子供らしい」と見落とされる幼少期だけでなく、受験や試験勉強のようなタスクが明確な作業は得意な発達障害当事者も多いため、そこでも障害の可能性に気づかないことが珍しくないとのこと。
「しかし、社会に出た途端、複雑な人間関係の調整やマルチタスク、社交辞令などを急に求められ、発達障害の傾向が表面化。周囲からは『仕事のできない困った人』とレッテルを貼られ、本人も『なぜ自分はこんなにもできないのだ』と悩みを抱えてしまうわけです」
そんな彼らをさらに苦しめるのが周囲の視線である。自らの発達障害傾向に自覚のある社会人たちはその苦悩を次のように明かす。
「『なぜこんな簡単ことができないのか』と何度も上司から注意されるが、『発達障害だからです』とはもちろん言えず、答えに窮します。『そんなに俺の評価を下げたいのか』と言われたときはもう頭がぐちゃぐちゃになりました」(37歳・人材派遣)
「仕事でミスをするたびに『またか』という顔をされるのが一番、ツラい。『発達障害なんだから仕方ないじゃん』と開き直りたい気持ちといつも葛藤しています」(31歳・メーカー)
自らの傾向に気づきながらも、その生きづらさへの対処法を見つけられず苦しむグレーゾーンは少なくない。
『発達障害グレーゾーン』 徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る |
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