仕事

人並みに仕事ができない人たちの苦悩「周囲に“またか”という顔をされるのがツラい」

 SPA!でも’18年に2度にわたり、大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。第3弾となる今回は「発達障害という診断名がついていない人々」の苦悩を追った。

「人並みにできない」にあがく会社員たちの辛苦

「打ち合わせや会議中はメモをするのに必死で内容についていけない。そうなってしまうと、いきなり意見を求められても当然、ロクなことが言えずにオドオドしてしまう」  そう自らの振る舞いを振り返るのは大手流通会社に勤める香川晴彦さん(仮名・37歳)。診断こそ受けていないが自分の発達障害の傾向には十分な自覚があると語る。 「『急ぎではない』と自分でもわかっているのに、最優先すべき仕事をほったらかしてほかのことをやってしまう。1時間で終わると思った仕事がもうプラス10分かかってしまい提出が遅れる。待ち合わせ時間から逆算してぴったりの時間に出ようとするから何か些細な想定外のことが起きると、少しだけ遅刻してしまう。もう何度同じミスしたかわかりません」  香川さんのように一つひとつは大きな問題にはならないレベルの失敗がたびたび発生することにより、自己嫌悪や周囲からの叱責が積み重なり、さらに仕事でのミスを生んでしまうという悪循環に陥るグレーゾーンは多いと発達障害当事者を数多く取材するフリーライターの姫野桂氏は指摘する。 「近年ではそんな傾向に対して、『大人の発達障害』という言い方をしますが、そもそも発達障害は後天的に発症するわけでなく、生まれつきの脳の機能の問題とされています。なので、正確に言えば『大人になるまで見過ごされていた発達障害』という言い方になるはず。これまでに多くのグレーゾーンの方とお会いしてきましたが、仕事をするようになって、初めて『自分が人並みにできないこと』に気づくケースは多いです」
次のページ 
障害の可能性に気づかないことが珍しくない
1
2
3
発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る





おすすめ記事