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発達障害で3つの病院を受診も「診断結果が全部違った…」

 SPA!でも’18年に2度にわたり、大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。第3弾となる今回は「発達障害という診断名がついていない人々」“グレーゾーン”の苦悩を追った。
植田さん

3つの病院でそれぞれ異なる対応を受け、発達障害診断の難しさを改めて実感したという植田さん

正しい診断結果を求めてサードオピニオンまで迷走

植田知行さん(仮名・37歳)/会社員/ADHD傾向 「病院で発達障害の疑いがあると指摘され、WAIS−Ⅲ(知能指数を測るテストで発達障害の診断に用いられる)を受けた結果、ADHDの診断が出ました」  体調を崩し、前職を離れた35歳の冬をそう振り返るのは植田知行さん(仮名・37歳)。かねてから「議事録がうまく取れない」「会話に出てくる『あれ』『それ』『これ』がピンとこない」という自覚があったが、調子が落ち着いて以降、植田さんはイチからADHDについて学び、自身の障害を受容していったという。 ●ADHD(注意欠陥・多動性障害)……不注意や、多動・衝動性がある。予定のダブルブッキングや遅刻など、ケアレスミスが発生しやすい。また、思ったことをすぐ口に出してしまうケースもあるため、人間関係のトラブルに繫がることも  そして、診断から半年、彼はある行動に出る。 「転職活動中だったので、自分の特性を詳しく知りたいと思い、セカンドオピニオンに行きました」  植田さんは発達障害専門と謳う病院を探し出し、院長を指名して予約。満を持して臨んだ診断で言われた言葉は、「あなたは発達障害ではない」だった。思いもよらない言葉に植田さんは絶句し、“迷子”になってしまうことに。 「結局、“クロ”と“グレーゾーン”の間に、医学的に明確な基準がないってことだと今ならわかります。問診のみで診断を出す病院もあれば、心理検査を細かくチェックして厳しく退けていく病院もあり、実態として基準はバラバラでした」  半年以上にわたり障害の受容に努めてきた植田さんは、ここでまた新たなショックを受けてしまう。
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サードオピニオンにも行くが…
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発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る

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