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人生100年時代、何歳まで働くべき?貯金はいくら必要?

 あなたは自分が70歳まで働く姿を想像できるだろうか? 人生100年時代といわれる今、もはや悠々自適な引退生活など、遠い過去のものになった。 [70歳まで働く]超実践ガイド

「老後資金3000万円」は人生100年時代には通用しない?

「よく老後資金は3000万円が必要という説がありますが、これは85歳を平均寿命と想定した話です。人生100年と言われる現代ではもはや通用しないと思います」  そう語るのはファイナンシャル・プランナーの野口俊晴氏だ。相談者からも「定年後に預金残高が目減りしていくのが怖くて仕方がない」と話されるという。 「勤労収入がないと、その恐怖とも闘わないといけません。そもそもなぜ老後資金3000万円説があるかというと、たとえば月30万円を60~85歳の生活費とした場合、総額でほぼ1億円かかり、そこから夫婦の公的年金などの収入を差し引くと大雑把に3000万円くらいになるためです。しかし、それのみでは平均寿命以降の生活費が足りなくなる。そこで、60代でも働きながら老後資金である3000万円を減らさずに運用に回す必要が出てきます」 [70歳まで働く]超実践ガイド 退職金を住宅ローンの残りや生活費に充てず、あくまで勤労収入だけで暮らすことを心がけないといけないわけだ。 「退職金などはなるべく手をつけず、運用に回したほうが賢明でしょう。仮に、退職一時金2500万円を元手に60歳から75歳まで1%で複利運用すると、約2900万円になります。今は雇用延長で65歳まで働けるようになっていますし、最低でも70歳までは夫婦二人で働いた収入で賄う暮らしが基本プランになると思います」  では、夫婦2人で60歳以降もダブルインカムをキープしたとして、どれほど稼ぐ必要があるのか。 「生活レベルを一気に落とすのは厳しいと思うので、夫の元の平均月収が50万円だとしたら、6割くらいをメドに考えるといいですね。もし配偶者がずっと専業主婦だった場合でも60歳以降は協力してもらって共働きをしましょう。年収100万円ほどのパートでも十分です。夫20万円、妻10万円の収入で月30万円を目標に働くこと。そこに夫婦の年金が加われば月の総収入額は約40万~50万円になります。決して悲観的になるような数字ではないですよね」
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年金を受給し始める時期はいつがいい?
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