更新日:2023年03月21日 15:50
カーライフ

東日本大震災後の東北の道路は今? 新規開通高速&復興道路を走ってみた

料金無料の復興道路・三陸道から国道45号へ

 一部が津波を食い止める堤防の役目を果たした仙台東部道路から仙台松島道路を経て、いよいよ三陸道に突入する。ここから先は復興道路につき料金無料! スバラシイ。

三陸道石巻付近

 石巻市を通過。周囲にはダンプカーが目立つ。まだまだ復興は道半ばなのだ。石巻から三陸道は北上川に沿って一旦内陸へ。景色が猛烈に美しい。走っているだけで癒される。桃生津山IC付近で4車線区間は終わり、2車線に。ただ、中央分離帯にガードレールが設置されているため、心理的な安心感は高い。中央線に樹脂ポールを立てただけのまま、4車線化のめどがまるで立たない暫定2車線より、こういった完成2車線のほうがはるかにイイ。

完成2車線

 志津川IC付近から、三陸道は海沿いに北上を開始する。しかし海岸のやや内陸側を走るため、海はほとんど見えない。そして、小泉海岸ICで一旦終点となり、国道45号線に合流。すぐ、海が間近に見え始めた。ということはつまり、津波浸水区域かその間近ということだ。わずか1.7km先の本吉津谷ICから再び三陸道が完成しているが、しばらく海岸線を走りたくなり、そのまま国道を進んだ。  海の眺望がききそうな路地を右へ。するといきなり鉄道と踏切の跡が!

いきなり鉄道と踏切の跡が!

 そこは、津波で不通となった気仙沼線の小金沢踏切だった。気仙沼線は大船渡線とともに、現在バス代行運転となり、一部の区間は線路跡を走るBRT(バス高速輸送システム)に変わっている。ただこの付近では、バスは国道を走っていて、線路跡は廃線状態だ。絵に描いたような震災遺構に目頭が熱くなる。  国道に戻ってしばらく走ると、「道の駅 大谷海岸」が。ここの食堂「ビーチボーイ」で二色丼をいただく。ウマイ!  道の駅の裏は、かつての気仙沼線の本物の駅「大谷海岸駅」だ。

大谷海岸駅

 ホームと線路の遺構が、ほぼそのまま残されている。海抜はほんの1~2mか。三陸道の開通により、仙台からわずか1時間半ほどで、こういった風景が見られるようになっていることに、感慨を禁じ得ない高速道路マニアなのだった(つづく)。 取材・文/清水草一
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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