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絶世のブス顔デリカD:5が最高峰! ミニバンのコワモテ化はなぜ始まったのか?

 ミニバン天国・日本にも世界的SUVブームが押し寄せている昨今、ミニバンの顔のクセが以前にもまして強くなっている気がいたします。それはなぜか? 今回は当代きってのドブス、世界三大ブス、ブスofブスの誉れも高い、世間も支持する売れっ子ブス、新型デリカD:5が生まれた背景を、ブス専・永福ランプが考察してみました! オートクラブMJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

リボーンしたデリカD:5の絶世のブス顔は最高である

 今回は、人間の本能について、一席ぶたせていただきとうございます。テーマは「なぜ人はコワい顔のミニバンに乗りたがるのか」。  まず前提として、人は周囲に一目置かれたい動物です。たとえば昔、植木屋のバイト中、ニッカボッカ風の作業着で商店街を歩いたら、周囲の歩行者が微妙に避けてくれて、「うわ、カイカン!」と思いました。  クルマで高速道路を走っている時も、アオッったわけでもないのに前のクルマが道を譲ってくれたりすると、とても気持ちがいいものです。  で、どんなクルマだと道を譲ってもらえるかというと、実はスポーツカーです。数年前、スポーツカー(フェアレディZ)と高級セダン(レクサスLS)と大型ミニバン(エルグランド)で実際にテストしたところ、スポーツカーがダントツで道を譲ってもらえました。  フェアレディZ程度でそうなんだから、スーパーカーなら威力は絶大。カエルの面にションベンなバックミラーを見ないドライバーを除いて、みなさま転げるようにして道を譲ってくださいます。  別にスポーツカーが自分のケツに食いつくわけでもなく、ミサイルをブッ放つわけでもないのに、なぜ道を譲ってくれるのか? それはおそらく、速そうなとんがったモノに対する、人間の本能的な恐怖心でしょう。私も後方からスーパーカーが迫ってきたら、一も二もなく道を譲ります。  で、意外と道を譲ってもらえなかったのが、大型ミニバンでした。当時すでに大型ミニバンはかなりコワい顔になっていましたが、コワい顔でグイグイと前車に近づいても、逆に意地を張るような感じで道を譲ってくれない。その心理の裏には、「遅いクセになにアオッてんだよ!」という反発があったようです。  そう、人は本能的に、速そうなクルマには道を譲り、遅そうなクルマを見下すのです!  ミニバンは箱型。小さいバスみたいなもん。速いわけがない。なのに「道を譲れ」と言うのはおこがましい。フザケンナ! 人間は本能的にそう思うのですね。

ミニバンのコワい顔競争が勃発

 そこで始まったのが、ミニバンのコワい顔競争です。  人はミニバンや軽などの遅そうなクルマを、本能的に見下します。それはミニバンや軽のドライバーにとって、非常に面白くない。でも、顔がウルトラ怖ければ、それなりに違ってくる。「あの人はきっと威張り散らしたいタイプなんだな」「邪険に扱うと面倒なことになるかも」という心理が働いて、扱いが違ってくる。スキンヘッドにサングラスで商店街を歩くのに似ています。  現在、そのコワい顔の頂点に君臨しているのが、トヨタ・アルファードです。アルファードはヤンキー層にとって、もはや「神」のような存在になっています。
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ボロカスに叩かれて炎上状態でも売れ行き好調!
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