更新日:2023年03月21日 16:02
お金

作業服のワークマンがユニクロを超える日は来るのか?/馬渕磨理子

ワークマンは女性客の取り込みに成功していた!

 さらにワークマン、2018年9月には、作業服を一般向けにカジュアル化したPB商品を中心に集めた新業態店舗「ワークマンプラス」もスタートしています。  これが、予想以上の売上となっているのです。最近ではメディア露出の多さも功を奏し(SPA!でも何度も取り上げられましたよね)、女性客や子供連れの客層が思いのほか増加したとのこと。
アパレル

※写真はイメージです

 また、ショッピングセンターに出店したことで、一般消費者の購入が増加し、業績は8期連続の増収増益となっています。今や、ワークマンは「おじさんの作業服屋さん」というイメージは名実ともに過去のものとなりつつあるのです。  また、今後の業績予想に大きな影響を与える決算説明会(2019年2月7日)においても期待が持てる発言がありました。栗山清治社長によると「来期の開業予定は全てワークマンプラスにする」そうで、今後さらなる一般向けの業態への注力が伺えます。  株価も右肩上がりのトレンドが継続してる中で、5月8日、直近の決算発表が出ています。今期経常は10%増、20年3月期も10.5%増の伸びを見込んでいます。株価は現在、5,490円(5月8日終値)で推移していますが、好決算を直近高値5,870円(3月28日)が視野に入ってきます。

ユニクロの「代替わり」の可能性も!?

 ご存知の通り、ユニクロはフリースやヒートテックなど機能性のある商品を生み出し、これまで限定的だったアパレル市場を大きく切り開いてきた企業だったと言えます。  一方、作業着が出発点であるワークマンは、元々機能性の高い商品を展開しており、それが一般消費者に浸透してきているという、ユニクロとは異なる市場の獲得の流れを得ています。さらに、元々価格が安く値下げをする必要がないビジネスモデルというのも特徴的です。  今後の市場をずばり予想しましょう。  ワークマンは、「流行り物は着なくていいから丈夫なものを着たい」というニーズに応えるかたちでユニクロに代替される可能性を秘めているのです。それが、ワークマンが“第二のユニクロ”と今、市場で呼ばれている理由です。もちろん、会社の規模としては、ユニクロの時価総額が6兆8916億円であるのに対して、ワークマンは4460億円(共に5月9日時点)と大きな差はありますが、ブランドの「勢い」という面では、代替わりする可能性は、十分あります。
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SNSにワークマンのファンが溢れている
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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