エンタメ

元モー娘。市井紗耶香が参院選に。この20年何してたのか熱烈ファンが解説

市井紗耶香ファンたちの奇祭

 このころの市井紗耶香ファンは、毎年5月21日に卒業公演の行われた武道館まえに誰が呼びかけるでもなく集合。清酒「一人娘」を片手に語り合うという奇祭が行われていた。筆者は10年目の節目まで出席率8割だった。もちろん、市井紗耶香復帰後も毎年執り行われていたワケだが、この集まりがあること自体、ファンが抱える復帰後の市井の芸能活動への切ない思いがうかがえる。

毎年5月21日、武道館前に集まる筆者を含めた市井ヲタたち

 そして、シンガーソングライターの夢(?)を叶えるために何故かシャ乱Qのたいせー(現たいせい)と、ギター吉澤直樹の3人ユニット、「市井紗耶香 in CUBIC-CROSS」を結成。たいせーの作るよく分からないシンセ歌謡に合わせて、ペコペコ腕を振る市井の痛かわいらしさは特筆もの。2ndシングル「失恋LOVEソング」から市井紗耶香作詞楽曲が増え、アーティストっぽさを出す戦略とは裏腹に、楽曲はどれもヒドイ出来だったし、歌詞もタイトルを見ていただければわかるような感じ。「届け! 恋のテレパシー」だもの。かなりのものですよ。髪の毛ウェーブにした市井ちゃんのかわいさの前にはそんなこと些細な問題でしたけど。

「いよいよヤバいぞ」「選挙運動かよ…」

 ユニット展開は、1stシングルは初登場オリコン11位、その後2ndは12位、3rdは17位とジリジリ売り上げを落とし、最終シングルは46位と厳しい仕上がり。ライブハウス公演なのに、客席に椅子が置かれ、ライブ後に握手会(ハロー!プロジェクトでは当時珍しかった)が行われるようになる。  そこで、「いよいよヤバいぞ」と思ったのが、握手後会場から出るときに市井紗耶香の母親が出口に立ち、退場するファンに一人一人「応援してあげてね」とお辞儀をした事件。好きなアイドルを追いかけるファン活動のはずが、市井一家を盛り立て支える使命に変わった瞬間である。これ以上ないリアルな瞬間を目の当たりにして「選挙活動かよ……」とつぶやいたあの日のファンに、「将来、本当に選挙に出ることになるよ」と教えてあげたらどんな顔をするだろうか。

(画像はサードドシングル「届け!恋のテレパシー」のジャケットより)

 で、逃げられない結束感だけ強くなりながらも徐々にファンが減っていく厳しい情勢の中、ユニットが突然の解散! 正直、ホッとはしたが、特に解散ツアーもなくホームページに記載された理由は、「自分の幸せのもっとを探しに行きます」。なんじゃそりゃ! と思ったのもつかのま、「もっと」とはユニット元メンバー吉澤直樹とのデキ婚だった。思い出したんで書いときますけど、市井紗耶香との握手会、ユニットになってからはなぜか吉澤・たいせーも参加だったんですよ。  市井と握手したあと、そのまま握手した手を大事にして帰宅したい気持ちでいっぱいのファンの手を握り締める吉澤直樹とたいせー。一度、吉澤直樹に「ごめんね」と言われながら握手したことがありましたね。あのごめんねはどういう意味だったのかな。市井ファンが吉澤直樹のことを今でも許せないのは、握手のトラウマもあるハズ。市井のツアーに合わせて地方遠征し、帰宅したら電気料金の未納で明かりがつかなかった頃の話でした。 〈文/久保内信行〉
1
2
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート