更新日:2023年04月18日 10:52
お金

50万円で買った13万kmオーバーのロールスロイスを140万円で売ろうとした話

50万円で買って車検代で90万円使ったロールスロイスをヤフオクに出品

 そして5000km近く乗った頃、私はロールスロイスをヤフオクに出品しました。単に出品するのではなく、何十枚も写真を並べ、整備内容も事細かに記載しています。幸いなことに内外装の状態が非常に綺麗だったので、見栄えは良いのです。それに加えて、ロールスロイス専門工場で徹底した整備をしているということも本来価格に与える影響はわずかと知りながらも売りの1つにできました。で、それらを武器に私が出品した額は140万円。つまり、プラマイゼロの強気の値段です。

フライングレディ

 いくら見た目が綺麗で、整備されていても14万km近く走ったロールスロイスが140万円で売れるかどうかは賭けでした。知り合いや友人にも声をかけましたが「ロールスロイスなんか買わないよ」とか「14万km!?」なんて敬遠されてしまう始末。「140万円で絶対に売れっこない」と私に不安ダメージを与える余計な一言を言う人もいて、私はちょっと自信をなくしました。  ですが、140万円という額はロールスロイスにしては破格なうえに、ここまで徹底的に整備している140万円のロールスロイスはなかなかないため、問い合わせは意外にも多かったのです。つまり、このロールスロイスの低い評価の原因は走行距離のみ。内外装も綺麗で、不調がある箇所もないのです。  ある日、ロールスロイスを見たいとやってきた2人組がいました。1人は日本人でもう1人は白人です。買いたいのは白人のほうで、日本人は仲介役でした。その白人がオーストラリア人であることを聞いた瞬間、私は「買ってもらえるだろう」と確信しました。なぜなら、私のロールスロイスは右ハンドル。ロールスロイスはイギリスのクルマですから右ハンドルが多いかと思いきや、左ハンドルのほうが多いのです。ですから、右ハンドルのロールスロイスは貴重。オーストラリアは日本と同じく左側通行右ハンドルなのです。そんな彼は入念に私のロールスロイスを見ていました。結局、内装の一部に汚れがあることを理由に値下げ交渉されたのですが、その額は10万円。一度90万円の大損を覚悟した私としては、10万円の値引きなんて許容範囲なわけです。

大きな後席ヘッドレストが特徴的なリアビュー

 ということで、130万円で売却できたロールスロイス。その過程で思わぬ出来事が重なってヒヤヒヤさせられたりしましたが、楽しい思いもいっぱいして、しかも5000kmも乗って、10万円のマイナスで済んだのです。ロールスロイスのレンタカーを借りようと思ったら、24時間で10万円はするでしょう。「売る」ことを重視したおかげで、実質10万円で存分に楽しめたのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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