更新日:2023年04月13日 01:55
お金

1200万円のベンツから60万円のクラウンオーナーになった母も気づいた「中古車の魅力」

 腕時計もクルマも好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですが披露したいと思います。

斉藤由貴生

第25回 決算セールで安い新車を買うより中古車が断然お得

 私が、腕時計の次に売れるモノとして提唱しているのが中古車です。  ですが、ほとんどの人は、新車をいかに安く買おうかと目論んでいるのでないでしょうか。「クルマ 安く買う」なんていうキーワードでネットを検索してみると、よく出てくるのは新車を安く買う記事です。たしかに、新車が欲しい人にとっては朗報の記事で、私の同世代の友人なんかも「決算セールで安く買えた!」と自慢していたりします。

4代目プラウディア

 けれども、このセールで安く買うというクルマの買い方は、売る時のことをまったく考えていない買い方なのでやめるべきです。つまり、定価より安く買えたのはお得かもしれないけど、売る時のことを考えた場合、本当に得かどうかはわかりません。

大事なのは値引きの額ではない!

 もうおわかりかと思いますが、重要なのは「購入した額―売却額」です。この差額が少なければ少ないほどお得です。たしかに、300万円の車を50万円値引き状態の250万円で買ったと聞くと一見お得なようですが、売る時に30万円にしかならないのであれば220万円をクルマに払った計算になります。220万円ともなると、それほどお得じゃない感じがします。

初代NSX

 特にクルマは、売る前提で買うことに向いている商品です。クルマを持っている人であれば「下取り」や「買い取り」というのは当たり前の言葉です。にもかかわらず、なぜ値引き商品が安上がりだと思うのでしょうか。値引きもたしかに、買った時と売る時の差額を減らす要素の一つです。しかし、大体の人は「30万円」とか「50万円」という目の前にある値引きの数字に安さを見出していると思います。

ロールスロイスシルバースパー

 新車以外は物欲が刺激されないという人や、企業のように業務マネジメントの観点から新車の必要がある場合は中古車を検討することはできないでしょうが、なんとなく新車を買っている人はぜひ中古車も検討材料に入れていただきたいと思います。

12代目クラウン

「エコカー減税」という言葉に反応して車が売れる状況を見れば多くの人が新車を買うのが当たり前という発想なのでしょう。しかし、エコカー減税がどれだけ得なのか、内容をわかっているでしょうか。  また、「どうせ中古車でしょ?」とか中古車のことをバカにしたり、「壊れて結局メンテナンスが必要になる」「燃費が悪い」などと言って中古車に対して漠然とした不安を抱く人がいます。中古車をバカにする人は、その思い込みが結局、損を生んでいることに気づいていません。中古車はボロボロだから安いのではなくて、単に型落ちになって人気がないから安く売られているだけなのです。

初代プリウス

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中古車か新車かは普通の人は見分けられない
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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