更新日:2019年10月30日 21:06
エンタメ

鴻上尚史、秋の新作舞台は住民の苦情に悩む地球防衛軍のお話

地球

宇宙からヒーローが登場して被害拡大!?

 そんな縁あるディレクターが考えたタイトルです。圧倒的にイマジネーションを刺激されます。あっという間に、僕なりのオリジナル・ストーリーが浮かびました。  クレーマーの時代になりましたからね。それと、SNSで「正義の言葉」を語る人間が増えました。 「未成年なのに飲酒している」とか「路上ライブは道路交通法違反だ」とか、誰も否定できない「正義の言葉」を語ることで、「俺、偉いだろう」と自己主張する人達ですね。  アメリカでは、こういう人達のことを「ソーシャル・ジャスティス・ウォーリアー(社会正義戦士)」と呼んでいると知りました。もちろん、バカにしたニュアンスが入ってるんですが。  で、地球に怪獣が現れて、地球防衛軍が戦う時代になったとしましょうや。  苦情処理係に電話が入ります。 「怪獣に踏みつぶされたんなら、納得するよ。でも、俺の家は、地球防衛軍のミサイルで壊されたんだぞ。それはおかしいだろ!」とか「怪獣の被害に火災保険がおりないってのはどういうことだ!」なんて言われるのです。  怪獣は、地震と同じ天災扱いなので、火災保険は免責事項なのです。地震特約のように、怪獣特約を結んでないと、なんともしようがないのですが、抗議する人は納得しないのです。  で、ある日、ハイパーマンと呼ばれる「一見、ヒーローっぽい」やつが現れて、怪獣と戦い始めます。  ところが、今までは、地球防衛軍の航空隊が撃つミサイルが二次被害の限界でしたが、ハイパーマンは、怪獣を振り回したり、キックして倒したりするもんだから、被害がどんどん増えてしまうのです。新宿の高層ビルなんか、ガンガン倒れてしまうのです。  人々は、「ハイパーマンはなにしてんだ!?」と怒ります。M66星から「宇宙平和維持軍」の正義の使者としてやってきたハイパーマンは苦悩するのです。  これが物語の始まりです。  公演は、11月2日から新宿・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(長い!)。大阪公演もあります。  9月7日、チケット発売! ネットでググったら買えます。どうだ、見たくならないか? 面白いぞお!
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●KOKAMI@network vol.17『地球防衛軍 苦情処理係』公式ページ

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