更新日:2019年10月30日 21:06
エンタメ

鴻上尚史、秋の新作舞台は住民の苦情に悩む地球防衛軍のお話

秋の新作舞台は住民の苦情に悩む地球防衛軍のお話

 秋に上演する芝居の台本をしこしこと書いております。 『地球防衛軍 苦情処理係』というタイトルです。  もともと、このタイトルは日本テレビのディレクター久保田充氏から「鴻上さん。こんなタイトルで、こんな粗筋の物語考えたんですけど、シナリオ、書いてくれませんか?」と数年前に言われたのが始まりです。  タイトルに惹かれて「面白いなあ。書くよ、書くよ。で、どんな粗筋だい?」と、相談は進んだんですが、企画として上層部に通らず、残念なことにポシャリました。  でも、僕の頭には『地球防衛軍 苦情処理係』というタイトルはしっかりと残りました。  で、とうとう、久保田氏に「物語は、おいらのオリジナルでまったく粗筋とは違うんだけど、このタイトル、使わせてくれないかなあ」と頼みました。  久保田氏は「もちろん、好きなように作って下さい。あ、でも、芝居が当たって、小説とかも鴻上さんが書いて、これも当たって、マンガとかも出て、とうとう映像化するって時には、僕がディレクターですからね。それだけが条件」と言われました。  久保田氏は彼が早稲田の学生時代、僕が作・演出をしていた「第三舞台」のスタッフでした。演出部という部署で、あれやこれやと、いろんな作業をするパートです。  ある日、「鴻上さん、相談があります」と深刻な顔で来て、「どうしたの?」と聞くと「じつは、就職試験でNHKに受かったんですが、『第三舞台』のスタッフを続けるか、NHKに行くか、迷ってるんです」なんて言うのです。  僕はすぐに「アホか。NHK、行け! うんと出世して、ドラマ創る時に、『第三舞台』の俳優を使ってくれ」と言いました。  その後、日本テレビのディレクター募集で中途採用され、僕は二本、彼の演出するドラマのシナリオを書きました。
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社会正義戦士に苦悩するヒーロー
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