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前澤氏のZOZO売却は得策だったのか?富豪なのになぜ借金600億?素朴な疑問を解説

孫正義氏にとって、ZOZOは“いい買い物”だったか?

 一方で、ヤフー、つまり孫正義氏にとって、ZOZOは“いい買い物”だったのだろうか? 3大ECモールのうち、アマゾンや楽天の後を追うヤフーショッピングだが、ZOZOを買ったことで巻き返せるだろうか。
paypaymall

ヤフー「paypayモール」のリリースより

「それは、ヤフーが今年10月に開始する予定の『PayPayモール』がカギを握ると思います。既にPayPayモールの目玉店舗として、ZOZOTOWNの出店が予定されていますし、(現在色々と問題を抱えてはいるものの) LOHACOの出店も発表されています。こういったオンライン通販や 、LOHACOなどに見られるオリジナル商品の開発、市場投入のノウハウに加え、さらに自分たちの決済サービスを上手く利用し、巻き返しをはかると思われます。  ECのノウハウが非常に豊富なZOZOは、ヤフーの物販事業全般に対して良い影響を与えるでしょう」 前澤氏が去ったZOZOは、次々と新しいことをブチ上げるのでなく、地味に見えるがアパレル通販の地固めに立ち返るだろう、というのが熊村氏の見立てだ。

カリスマ性がプラスになる場合、マイナスになる場合

 それにしても、前澤氏のカリスマ性は、良くも悪くも日本人離れしていた。国内外の起業家を多数見てきた熊村氏は、「ゼロから新しい事業を興し、大きく成長させることができる方は、誰しも強烈な個性とカリスマ性を持っている」という。  ただし、「その強烈な個性やカリスマ性を、うまくビジネス方面にコントロールすることができる周りの方々によって、プラスに働く場合とマイナスに働く場合があるのではないか」とも指摘する。    創業時、前澤氏は自らアパレルを一社一社説得して、ZOZOを作り上げた。だが、この数年は、剛力彩芽との交際やハデな私生活ばかりが注目されてしまった。その才能を「ビジネス方面にコントロールする」ブレーンを得れば、新たな「人と社会の役にたつ事業」(by前澤氏)を実現してくれるかもしれない。 【熊村剛輔 氏】 1974年生まれ。プロサックス奏者からIT業界に転身し、エンジニアやオンライン媒体編集長などを経たのち、広告代理店やアパレル企業でデジタルマーケティングに携わる。講演、執筆多数
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