更新日:2025年03月12日 16:13
ライフ

知らない人だけが損をする「コスパが悪すぎる服」に共通している特徴

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第522回をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB

メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

「コスパのいい服/コスパの悪い服」の違いはなに?

 突然ですが、服って高いと思いませんか……? 「布と糸でなんでこんな値段になるんだよ」 「どうせタダみたいな金額で作って暴利で売ってるんだろ」 「コスパ考えたらユニクロが一番でしょ」  皆さん、いろいろ思うところあるでしょうが、実は服って高いのが当たり前です。  生地の原料である「綿花」は確かにたかが知れてる値段かもしれませんが、そこから糸に紡績し、糸から生地を作り、生地を加工し、加工した生地を縫製し、さらにはデザインする人、パターンを作る人、さらに販売する人、物流や輸出入のシッピングコストなどなど。あらゆる人や会社が関わっているため「人件費」によって大きく値段がかかってくるのです。  服作りの現場を知るとあらゆる人が関わってる総合芸術なのでどうしても安くしにくいとわかります。布と糸は安くても人の労働力は安くできないのです。  しかし! それでも消費者としては「なるべくコスパがいい服を知りたい!」「コスパが悪い服や不当に利益が乗ってる服は買いたくない!」とも思うでしょう。  そこで、今回は「コスパの悪い服」をお教えしましょう。もちろん原価やコスパがすべてではありませんが、原価も気になる一つの要素のはず。頭の中に入れておいてください。

★ZOZOなどECモールで販売されている服

コスパが悪すぎる服 前置きをしておきますがZOZOがダメだと言ってるわけではありません。ZOZOの中でもいい服はたくさんあるし、ZOZOでしか手に入らない良品も多数あります。しかしながら原価という意味で言えばZOZOは不利と言えば不利なのです。  仕組みは簡単、ZOZOに出店しているブランドは手数料として売上の35%を支払う必要があるからです。つまりホントは我々は同じ商品を35%引きで買える……ってことですよね?  なぜならZOZOに35%のフィーを払っても出店ブランド側は利益が出ている構造なわけですから(広告宣伝目的で利益度外視してでもZOZOで展開しておく必要があるブランドもありますのでこの限りではありませんが)、仮にブランド直売の形であれば35%安く提供できるという理屈になります。  実際、D2C(ブランドが直接ユーザーに販売する仕組み)形式で展開しているブランドはこうしたECモールを介したブランドと比べると原価が優れており、格安に感じます。ZOZOなど中間に入る小売業やモールビジネスがあると当然、その分の利益が上乗せされるため原価的には不利になります。

規模や影響力に優れたECがフィーをとるのは当然

「じゃあ、ブランドの公式オンラインサイトなら35%引きの値段で売られてるってこと?」  そう思うかも知れませんが、残念ながら違います。日本は定価の観念が非常に強く「どこでも同じ値段で売られていること」がビジネスの絶対条件。また、当然のことながらブランド公式サイトで35%引きで売ってたらZOZO側からクレームくるでしょう。  こうした販売チャネル毎に価格を変えるということは一般的ではありません。なのでブランド公式で買うと、ブランド側からすれば大きな利ざやが出るのでラッキーというくらいですね。  もちろん「だからZOZOで買うべきではない」という話ではありません。知名度がない 弱小ブランドなどは35%を広告費だと考えてZOZOに進出する例も少なくありません。いきなりブランドのサイトを立ち上げても誰も来ませんからね。規模や影響力に優れたZOZOが35%のフィーをとるのは至極当然のこと。ただし、”原価厨”な人は気になるかもしれませんね。
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地方ではセレクトショップが淘汰されている
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