更新日:2020年01月10日 15:23
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自己啓発の目的は「自分が続けられるもの」を探すこと

 では、自己啓発がもたらす副産物とはなんだろう。それは「自分に続けられることがわかるかもしれない」という副産物だ。「自分の好きなことは何か?」「自分の得意なことは何か?」といった疑問を追いかけていると、「誰かと一緒に過ごし、心を揺さぶられた体験」をしたり、思い出したりする瞬間がある。するとその体験が原風景となり、自分がそれを続ける理由になる。  人間のやる気は、何かと続かないものだ。勉強も続かない、仕事も続かない、運動も続かない。それで頭を悩ませている人も多いだろう。自己啓発はその悩みを解消する「続ける理由」を与えてくれる。  ただ、それは「この日までに必ず見つかる」と約束できるものではない。あくまでも「自分のことを知りたい」という欲求を満たしつつ、「そのうちそういうことが起きるだろう」と期待するくらいの方が、「まだかまだか」と焦れたりせずに済むだろう。  また、「自己啓発は無意味」という話には、「いくら考えたって、自分のことなんてわからない」という極端なものもある。しかし、それは単にその人が自分のことを考えてもわからなかっただけで、私は自己啓発によって自分のことが前よりもわかるようになった。  そもそも「自分のことがわかるようになる」というのは、「わかるか、わからないか」というイチかゼロではなく、「前よりもわかるようになった」という程度の問題だ。  それなのに「自己啓発なんて無意味だ」という話に流されて、「確かに色々勉強したけど何も変わってないかも」とネガティブな部分を引き出されてしまってはもったいない。人間というのはその場の空気に流されやすく、「自己啓発が役に立った」というポジティブな話を聞けば、ポジティブな部分を引き出してもらえるものだ。 「自分のことを知りたい」という欲求を満たすにあたって、どうせならお互いにポジティブな影響を与えあう方がいいだろう。そのために「同好の士」はいる。そしてもし「自己啓発は無意味だ」という人に出会ったなら、「この人は自分を知りたいと思ってなくて、自己啓発が必要ないんだな」と思えばよい。必要か不要かというのは、それに対する欲求があるかどうかによって変わるもので、画一的に決まるようなものではないのだ。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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