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<純烈物語>目に見える形で手応えが得られない……。歌い手・白川裕二郎が味わった苦悩<第18回>

第18回 目に見える形で手応えが得られない……歌い手・白川裕二郎が味わった苦悩

 毎週土曜朝に当連載が更新されると、酒井一圭は自身のツィッターでそれを告知する。しかも多くの情報をアップする中、常にタイムラインのトップに固定しているのでこちらとしてもありがたい。  朝にもかかわらず、必ずひとことコメントを添えて。それがあるのとないのとでもファンの関心はまったく違ってくるし、これなら更新日を過ぎたあとも目につくので、より多くの皆さんに閲覧してもらえる。もっとほかに重要なニュースがあっても、スタート以来その位置にほかの情報を持ってくることがない。 「AさんとBさんがいて、Aさんの方が力を持っていたとしたら、Bさんを傷つけない形でAさんを盛り立てて、その上でBさんもフォローするみたいなことを器用にできるのがリーダー。人を喜ばせ上手なんでしょうね」  言うことが都合よく変わるリーダーについて白川裕二郎が語った時、それでも人心を掌握できる理由として、そんなエピソードを口にしていた。芸能畑の人間ではないプロレス村の一ライターなど、数多い関係者の中では遠い位置にいるはず。にもかかわらず、ツィッターのトップに持ってくるというやり方で酒井は、そんなポジションの人間でさえもじっさいに“喜ばせて”いる。  ちなみに、白川が「逆襲」に出た前回分のリツィートには、こう書かれていた。 <俺の嘘が暴かれていく訳だ。ま、確かにあの日TUBEを歌っていたのは西岡の龍ちゃんなんだけどな。金の話もプラスワンのイベントでギャラを乗せてあげただけの話なんだけどそれが後に親孝行のワードと共にボディに効いてくるわけさ。純烈物語は酒井わらしべ長者物語だからな>(顔文字略)  じっさい、取材の中で白川も「TUBEは西岡竜一朗君が歌っていた」と言ったので、リーダーはそれをちゃんと記憶として残っている上で、史実を上書きしてきたことになる。京都のカラオケの時点では、まさか自分が歌い手になるなど想像さえしていなかった。 「芝居をしていて声がいいと言われたことは何回かありましたけど、声に自信があるわけでもなかったので気にしていなかった。だから歌自体には、リーダーに言われた時にまったくピンとこなかったです。それでもやろうと思ったのは、役者じゃないところから頂上を目指すのも面白いんじゃないかという考えだけで、どうすればなれるかまで考えは及ばなかった。
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「白川さん、考えながら歌いすぎですよ」
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