馬主はつらいよ 馬のエサ代を稼ぐために事故物件を購入したら……
<第7回>
占い師兼馬主のあらいちゅー(@araichuu)です!
昨年シトリンという競走馬を1頭買い、月30万円以上かかる愛馬の預託料を払うため、お家賃が入ってくる収益不動産をコツコツ買っています。ぶっちゃけ、こういう副収入がないと馬主なんてやっていられません。馬の賞金をボロ家に換えて、入ってきたお家賃をまた馬にブチ込んでと、ある意味永久機関のような形になっています。今回はそんなボロ家探しで出会った事故物件のお話です。
※これらは完全に実話ですが、今現在お住いになっている方がいると悪いので、値段や間取りなどを少しぼかしています。
去年の秋の話ですが、都内某区に480万円で買える激安の戸建てが出てきました。最寄り駅からは徒歩15分、広さは60平米以上。新耐震基準で建てられており、スペックとしては大大大合格です。
どうしてこんなに安いかといえば、それはやっぱり事故物件だから。二階で住民のかたがお亡くなりになっており、遺体の発見が遅れてやや液体化していたそうです。
480万で買って、120万でリフォームして、月10万で貸せれば利回りは20%になります。こういう有能なボロ家が3軒あれば、地方競馬なら預託料がまかなえますね。うまくすれば、来年のセリ市でもう一頭買えちゃうかも、なんて妄想が膨らんできます。さっそく内見に行くことにしました。
仕事の都合で現場に着いたのは夜7時、秋なのでもう真っ暗でした。場所は幹線道路沿いにある住宅街の中で、外見はいたって普通。放置されている割には、玄関周りも外壁もきれいな状態です。
「これなら買えるぞ」と思ってワクワクしながらドアを開けたところ、土の腐ったような臭気が全身にまとわりついてきました。
なんだろうと思いながら携帯のライトであたりを照らしてみると、玄関からリビングにかけて、虫の死骸が大量に散乱していました…。なかでも蜘蛛の死骸と糞らしきものが壁にベットリついており、血糊のようになっています。空き家に虫や小動物が入ってくるのはよくある話なのですが、ここまでの光景にはなかなかお目にかかれません。こりゃ、480万まで下がるわけですわ…。
とはいえ、一階のマイナスポイントは死骸だらけのリビングくらいで、新し目のシステムキッチン、アンバランスなほど広くてきれいなトイレ、追い焚きのついた風呂が印象的で、むしろ差し引きではプラスな印象です。
続いて二階に上がります。すると、なぜか階段をあがったところにも玄関があります。お勝手口がある家は普通にありますが、それが二階にあるなんて初めてです。
一体どうなっているのかと思ってドアをあけたところ、なんと崖の斜面に出ました。
実はこの家、崖に寄りかかるようにして建てられており、斜面を少しだけ切り開いて、物干し場のようなスペースを無理やり作っていたんですね。このドアはそこに通じているわけです。
出入口が一階と二階でふたつ。こういう変則的な間取りは占い師として大変気持ち悪く、この時点で「ここに住んだらそりゃ死ぬかもなあ」という気がうすらぼんやりとしていました。
また悪いことに、二階の玄関ドアと崖の間には金属プレートで橋のようなものがかけられていたのですが、それが完全に朽ちていました。へたに踏み抜いていたら、玄関から落ちて死んでいたかもしれません。人間、なかなか玄関から落ちては死ねませんよ!
気を取り直して二階の部屋をチェックしていきます。和室部分・洋室部分ともに、雨漏りや床、壁の痛みなどは想定の範囲内でした。これなら100万円程度のリフォーム代でいけるかな、利回り20%もありうるな、とソロバンをはじきます。
そして最後に残された主寝室へと入ります。和室なのですが、床に畳がありません。よくみると床板にシミのようなものがベットリとついています。そして、窓ガラスが大きく割れています…。
ほぼ確実に「ここ」でしょう。この部屋で誰かがお亡くなりになり、近所の方が救急隊を呼び、ガラスを割って入ってきたのではないかと推測しました。が、よくよく考えれば救急隊がわざわざ二階から入ってくる理由はなく、どうしてガラスが割れているのかはわかりませんでした。
ガラスの破片が部屋側になかったので、内側から割られた可能性もありますが、深く考えても仕方ないので、そっと合掌して部屋を離れました。
死臭がしないので、特殊清掃はきちんと入っているようです。案内してくれた不動産屋さんと建物の状態やリフォームについて相談し、パチパチとスマホで写真を撮って回ります。そして「状態がよいので前向きに考えます!」と返事をして、その日は自宅へと戻りました。
帰宅後、指値(値切り)検討のためにスマホで撮った写真を眺めていたのですが、どうも動作がおかしいのです。画像閲覧ソフトがカクカクひっかかって動きません。
そしてなんだか写真が足りないような気がします。調べてみると、内見の前日に撮った(不動産と全く関係ないプライベートな)家族の写真が完全にスマホから消えていました。全部消えているならまだわかるのですが、なぜ前日のものだけ…。
電子機器がおかしな動作をするのはよくあることと思うのですが、前日のデータだけ消えるというのは珍しいですし、ありうることだとしてもタイミングが良すぎ(?)ます。完全にビビって風水の師匠(香港の著名な先生)に相談したところ、「風水的にも人が死ぬ家です」と太鼓判をいただきました。そんな太鼓判嬉しくないって。
また友達の神主さんに意見を聞くと「都内なんて掘り返せば墓だらけ死体だらけで、気にしていてはもたないですよ。ただ、自然死と事件死ではやはり違います」という見解が返ってきました。
もしかすると、本当は自然死ではなく事件死だったのかもしれません。メチャクチャお買い得な家だったのですが、不動産屋さんに「この物件は見送ります!」と伝え、お亡くなりになった方に再度合掌し、スマホに入っていた内見の画像をすべて消しました。
後日、なんの気なしにスマホをいじっていると、なんと消えていたはずのプライベートな画像が復活しているではありませんか。飛び上がるくらい驚きました。もう、わけがわかりません。
買うのを断ったからよかったのか、亡くなった方に手を合わせたからよかったのか。事故物件はうまく回せば儲かるとはいえ、素人が手を出すのはしんどそうだな~と痛感したのでした。
しかし私のような庶民が馬主業を続けるためには、お買い得な不動産をコツコツ買っていくしかありません。霊がいたずらをしてくるなら、霊のプロと一緒ならよいだろう…というわけで、今度は先出の神主さんを連れて、別の事故物件の内見に行ってこようと思います。この原稿が掲載されるころには進展があると思うので、お好きな方はご期待くださいね。
おまけのようで申し訳ないのですが、今週の愛馬シトリンちゃん情報です。
関東近郊の育成牧場で休養中のシトリンちゃんですが、佐藤師が様子を見に行ってくれました。脚の方は順調に回復しており、巻き上がっていた馬体もふっくらしているそうです。
さすがに体高は大きくならないのですが、横方向に馬体が大きくなり、全体的に風格が出てきたとのこと。復帰戦は4月の予定ですが、育成さんの判断で少し前後させるかもしれません。
個人的にはツメツメで使って出走手当を稼ぎまくるより、きちんと仕上げて狙いのレースを落としにいく、中央馬のような使いかたをしたいと思っています。
地方馬をこういうペースで使うのはかなりの贅沢ではあるのですが、これも新馬戦を勝ちきってくれたシトリンちゃんと、甲斐甲斐しく稼いでくれる不動産があるおかげです。入居者のみなさまに心から感謝です。ぶっちゃけ入居者のみなさんも一口馬主みたいなものです。
そして佐藤師いわく、今年は中央への挑戦も視野に入れてみたいとのこと。旋回癖と馬体減りの問題があるので実現するかは未定ですが、芝の長いところを使ってみてはどうか、なんて話をしています。軽い牝馬で芝の長距離はもともとお得な選択ですし、少頭数のレースなら直線で1~2頭かわせば賞金をGETできるかもしれません。
中央の1勝クラス特別なら賞金は5着で100万、4着で150万と結構な金額になります。せっかくの夢の続きですので、シトリンちゃんに負担がかからない程度に、高いところを狙ってみたいと思います!
氷河期世代ど真ん中の生まれ。馬主で占い師で大家で零細企業の経営者。副業と投資と占いで「普通の人でも馬を持てる!」ことを証明するべく奮闘中。占いは四柱推命・紫微斗数をメインでやっています。Twitter:@araichuu
占い師兼馬主のあらいちゅー(@araichuu)です!
昨年シトリンという競走馬を1頭買い、月30万円以上かかる愛馬の預託料を払うため、お家賃が入ってくる収益不動産をコツコツ買っています。ぶっちゃけ、こういう副収入がないと馬主なんてやっていられません。馬の賞金をボロ家に換えて、入ってきたお家賃をまた馬にブチ込んでと、ある意味永久機関のような形になっています。今回はそんなボロ家探しで出会った事故物件のお話です。
※これらは完全に実話ですが、今現在お住いになっている方がいると悪いので、値段や間取りなどを少しぼかしています。
安いんだからワケがあるに決まっていた
土の腐ったような臭気が…。
なぜか二階にも玄関がある不思議な間取り
特殊清掃の入った部屋を発見
スマホから写真が消えた!
なぜか消えた画像が蘇えった!
今月のシトリンちゃん情報
氷河期世代ど真ん中の生まれ。馬主で占い師で大家で零細企業の経営者。副業と投資と占いで「普通の人でも馬を持てる!」ことを証明するべく奮闘中。占いは四柱推命・紫微斗数をメインでやっています。Twitter:@araichuu
この連載の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
分配金遅延の「みんなで大家さん」2000億円成田開発が迷走…進捗率数%、地主も契約更新に応じず
バンコクタワマン投資は今が買い時?「利回り6%保証」の甘い話に潜む罠と成功のための出口戦略
“高値で現金一括”に目がくらみ…中国人に土地を売った人の苦悩。近隣住民からの相次ぐ苦情、「売ったことが知れれば裏切り者扱い」
「タバコの煙で耳の中が黒くなった」と騒ぐ住民に理事長が激ギレ…マンション管理組合の“泥沼トラブル”が裁判沙汰に発展した驚きの顛末
東京23区の家探しは“大争奪戦時代”に突入。“分単位”で物件がなくなることも…不動産業者に聞く、「ちょうどいい物件」の見つけ方
「氷河期世代こそ投資に向いている」FIRE投資家が語る“他責にならない人”ほど負けにくい理由
FIREしたのに「幸せに見えない」人たち。43歳早期リタイアの投資家が語る“残酷な現実”
「不動産売却は資産を減らす判断」タワマン建て替えの権利を「5000万円で売るか否か」の決断を迫られた時
「カフェ・ベローチェがある街は資産価値が上がる」10億円投資家が見つけた、東京「伸びる街/伸びない街」の意外な共通点
「俺、何か間違えました!?」不動産投資家が陥りがちな失敗。資金の動かし方だけで“数億円の差”に
「指紋が全部なくなった」特殊清掃現場の“危険すぎる”実態。猫に噛まれて破傷風、HIVの感染リスクも
特殊清掃員が明かす「冬のお風呂で突然死」の壮絶現場。“ヒートショックのリスクが高い家”には共通点が
“事故物件に住み続ける”芸人が語る、心霊スポットであった実体験「深夜1時すぎ、ひとりで真っ暗な山道を歩いていると…」
17軒の“事故物件”に住んだ芸人が語る、本当に恐かった話「家賃500円の物件で、なぜか一家全員が…」
霊の“物理干渉”で参加者の半数以上はリタイア。 事故物件に人を泊まらせる団体「暗夜」に迫る
“手取り20万円OL”から独立成功…月商100万円女性社長が見た「起業に失敗する人」の共通点
30代からのキャリア戦略。「多様性」という言葉が氾濫する現代で、本当に自分らしい働き方とは何か?
「手取りは16万円。生活が苦しくて…」下着を売る27歳女性の悲しき事情…「夫との離婚資金を貯めたい」38歳女性も
たった4日のアルバイトで3.5kgの減量に成功。「多くの人がリピーターとして参加する」その魅力とは
歯科医師は詐欺師のカモに?マネーリテラシーの低い高収入者ほど投資詐欺に狙われる
<NHKマイルC>上位人気馬は“ほぼ壊滅”か…データが示す“激走候補2頭”。コントレイル産駒の一発に期待
<天皇賞・春>社台ファーム代表の“2400m短縮案”で物議…“不気味な穴馬”はもう一頭のキタサンブラック産駒
<皐月賞>「困ったときの外国人騎手」は正しい?過去2年は「モレイラ」躍動も…「レーン&ルメール」は同一視できないワケ
<桜花賞>武豊に立ちはだかる「102連敗のジンクス」…人気馬アランカールに黄信号が灯るワケ
<大阪杯>ダービー馬は「春に崩れる」?クロワデュノール&ダノンデサイルに黄信号…代わって浮上する“爆穴候補”は
この記者は、他にもこんな記事を書いています






