17軒の“事故物件”に住んだ芸人が語る、本当に恐かった話「家賃500円の物件で、なぜか一家全員が…」
住人の自殺、他殺、孤独死によって事故物件となった家ばかりに住み続ける、芸人の松原タニシさん(@tanishisuki)。その体験を綴った『事故物件怪談 恐い間取り』シリーズは3冊を数え、2024年6月には『恐い怪談』を上梓するなど、著作家としても活躍している。
“事故物件住みます芸人”として有名になったタニシさんだが、今も事故物件に住んでおり、なんと通算17軒目になるという。そんなタニシさんに、オンラインでインタビューを行った。前編では本当に恐かった物件を、続く後編では、タニシさんが訪れた心霊スポットで起きた怖い話などを伺う。
――今、15軒目の事故物件から中継とのことですが、そうした物件に住み始めたそもそもの経緯はなんでしょうか?
松原タニシ(以下、松原):10年以上前ですが、『北野誠のおまえら行くな。』というテレビ番組があって、そこのトークイベントに若手芸人として登壇し、所属する松竹芸能の養成所の近くにあって、住んだ若手芸人が軒並みおかしくなっていくというマンションの話をしました。
養成所に来なくなったと思って様子を見に行ったら、真っ暗な部屋で体育座りしていたとか、Tシャツをビリビリに破いていたりとか……。
そのマンションは、1階の窓全部に鉄格子がはまっていて、廊下には赤や青のビニールテープで導線が貼られていて、元は病院だったのではと思われる雰囲気がありました。話し終えたあと、その部屋に自分が住むように言われ、躊躇しましたが、それまで10年芸人をやっても、全く仕事がなかったので、やってみるしかないと思いました。
松原:結局、その部屋には住めず、別の事故物件に住むことになるのですが、すごく恐かったです。怪しいことも結構起きました。例えば、知り合いから電話がきて話していたら、電波がすごい途切れて、相手は女の人の歌声が聞こえるって言ってくるのですね。こちらは1人しかいないのにです。
室内は、定点カメラでずっと撮影していたのですが、夜中にいわゆるオーブと呼ばれる白い物がいっぱい飛んでいました。肉眼では見えず、カメラだと撮れるのですが、そのオーブがだんだん何か意思を持つようになってきたのです。ある日、タオルというか一反木綿のような大きなものが、私の前を通り過ぎていくのが映っていました。
次の日、マンションの前に停めてあった自転車にまたがったときに、すごいスピードのスポーツカーがどんとぶつかってきて、投げ飛ばされたのですね。大ケガは負わずに済んだのですが、引越しを手伝った後輩芸人の2人も別々の場所で、同じ頃にひき逃げされていたことを後になって知りました。これが1軒目の事故物件です。
10年芸人やって全く仕事がなかった
“一反木綿”が出た翌日に車にはねられる
ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki
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