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家賃2万円の「屋根裏」で生活する40歳。部屋の中で立ち上がれない…

 日本社会の格差がますます広がる中で、人間が安心して暮らすための基盤である“家”の存在が揺らいでいる。年収100万円台の貧しき人たちは、家すら失う事態に陥っているのだ。貧困に喘ぎ苦しむ人たちの劣悪住宅事情をリポートした!
賃料2万円のシェアハウス

1.5畳の屋根裏で生活する鈴木肇さん(仮名)40歳

屋根裏で腰を曲げて生活。賃料2万円のシェアハウス

▼鈴木肇さん(仮名)40歳 製造業派遣  極端に居室が狭く消防法にも建築基準条例にも違反する「脱法シェアハウス」は、貧困者にとって最後の砦だ。漫画喫茶1か月分の家賃でプライバシーが保て、住民票を移すことも可能とあれば、人生の再起を図る者たちが集まってくる。  派遣で働く鈴木肇さん(仮名・40歳)も、そのひとり。転居して3か月目という世田谷区・東北沢駅近くの戸建てシェアハウスを訪ねた。4LDKで建物面積90㎡と十分な広さだが、鈴木さんは自室の狭さに肩を落とす。 「部屋は、2階の廊下からはしごで上る屋根裏。傾斜部分にできた空間を利用していて、広さは1.5畳程度。床から天井までの高さも140㎝程度しかなく立ち上がることはできません。窓もなく物置みたいなもんですが、新宿から20分圏内で家賃2万円。節約中の身分には相応の家ですよ」  元住民のイラン人が置いていった絨毯を布団代わりに敷き、丸まって寝ている。みかん箱15個程度の狭い空間には扉もなく、夜は耳栓が欠かせない。  長く就職できずフリーター生活だった鈴木さんも実は結婚していた過去を持つ。30歳の頃だ。派遣の職に就いたのを機に、長く結婚を迫られていた彼女とゴールインしたのである。 「すぐに子宝にも恵まれましたが、派遣切りに遭いまして。その後は、年齢もあり時給の低い派遣しか紹介されず……。金の切れ目は縁の切れ目と、妻は子どもを連れて実家に帰ってしまったんです」

子どもの成人まで続く、長い節約暮らし

 鈴木さんの平均年収は150万円程度。ひとりで支払うことになった家賃に加え、月4万円の養育費を支払うのは苦しい。2年ほど漫画喫茶を転々とした。 「養育費を払わず逃げるヤツもいるけど、俺は自分の暮らしは最低辺でいいから払いたい。シェアハウス掲示板でこの部屋を知り、すぐに入居しました。審査が緩く、15人いる住民のうち日本人は俺だけ。アジア系男性が多く、大半は不法滞在のようです」  世話係の日本人男性がいるが、共有部分の掃除は週に一度。水回りの掃除が行き届いておらず、トイレが異臭を放っていた。 「共有リビングは食べ終わったカップ麺が散乱しているし、ソファは食べカスだらけ。台所もめちゃくちゃで臭いに悩まされます」
賃料2万円のシェアハウス

「自主掃除」が規則だが、水回りはどこもこのありさま

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養育費を支払うためにあと5年はこのまま
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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