必要以上に相手に踏み込まないというか、良い意味で他人に興味がないんです
嫌いな人はこの世にいないことにする
――愛さんは恋愛相談の内容に応じて肯定も否定もしますが、爪さんは基本、肯定する派ですよね?
爪:他人に興味がないから肯定してあげられるんでしょうね。それと意地悪な部分もあります。誰かに自分を否定してもらって安心したいんだろうなって人の相談はあえて全肯定します。「本当はそんな自分が好きなんだろうし、簡単には変われないんでしょ」と。
愛:それは賢いけど、ちょっとずるいですね。相談者は否定されたいのにあえて肯定する。その人は爪さんに悪い印象を抱かず、優しい人なんだと思いそう。
――でも、爪さんはアスカさんへ対する執着はすごかったですよね。
爪:それは僕のことを好きって言ってくれるからです。それだけで興味がゼロから100になるんです。
愛:わかります。私も夫の好きなところは数え切れないくらいありますが、一番好きなのは「私のことが好きなところ」です。
――人に興味がないと人を嫌わずに済みますか?
愛:そんなことはないです。私は喜怒哀楽がはっきりしているタイプなので、嫌なことをされたら「あなたのこういうところが嫌!」と本人に直接言います。でも、それを続けるのはエネルギーがいるので、どうにもならないときはその人をこの世に存在しないことにします。
一方で、夫や友達など、私が好きで相手も好いてくれる人のことは大事にしています。本を書くときは、読者や担当編集者を喜ばせたい一心で頑張る!(笑) なぜなら好きだからです。
爪:僕は嫌いな人がいないです。次の日には嫌なことは忘れてしまうので。
愛:嫌な人に会ったときはどう対応しているんですか?
爪:そういうときは相手にきつく言い過ぎないように、オネェ言葉で「この人ヤダ~」って冗談っぽく言うようにしています。できるだけ笑いとして処理したいので。
愛:偉い、私にはできない……。
――お二人とも、自分に合った対処法を身に着けてらっしゃっていてすごいです。私はおそらく、人に興味を持ってしまうせいか、主にネット上でマウントを取ってくる人を引き寄せてしまうんです……。
爪:無関心と言いつつも興味がないわけではないですよ。
愛:他人の人生の責任は私には取れないので、各々楽しく生きていきましょう!というスタンスです。
――お二人は他人に無関心というより、自分と他人の区別がきちんとついている大人なのかもしれませんね。
愛:確かにそうですね。自分と他人の区別はできていると思っています。だから、他人に関心はないけど、恋愛相談に乗るときは、できるだけ相手の情報を引き出し、一歩引いて客観的なアドバイスを心がけています。
爪:僕はたまにTwitterのDM(ダイレクトメール)で相談が来ますが、あなたのことは何も知らないですけど、と前置きした上で「でも言いたいことを言ってほしいのなら言います」というスタンスで返信します。何にも返事が無いのが一番しんどいかなと思うので。
愛:ええっ! きちんとDMでの相談に答えるなんて優しい!
――お二人とも他人に干渉し過ぎないからこそ、自身が振り回されることなく相談に答えられるんですね。
爪:ネット上のコミュニケーションも変わり、本当にいろいろな連絡をもらいます。いきなり会いましょうとか勧誘活動をされると困るけど、それ以外のことなら返信はちゃんとしたいですね。