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ゴスペラーズが大絶賛した44年前の名曲は上映禁止処分になった映画の主題歌

―[クリスのお宝箱]―
ゴスペラーズ編 アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、MCを務める『ミュージック・モア』で秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!  今回の『ミュージック・モア』のゲストは、結成25周年を迎えたゴスペラーズのみなさんです。

デビュー25周年を迎えたゴスペラーズ

 1991年、早稲田大学のアカペラ・サークル「Street Corner Symphony」のメンバーで結成。メンバーチェンジを経て、1994年、シングル『Promise』でメジャーデビュー。『永遠(とわ)に』『ひとり』『星屑の街』『ミモザ』など多数のヒット曲を送り出してきました。  そんなゴスペラーズ(北山陽一さん、村上てつやさん、黒沢薫さん、酒井雄二さん、安岡優さん)に持ってきたお宝はこれ!

お宝箱の中身を予想したゴスペラーズ。果たして正解は?

性描写が過激すぎ公開4日で上映禁止になった映画の主題歌とは?

 ダーク・ダックス(※1)さん、25周年のアルバム『愛のロマネスク』です。今から44年前の1976年に発売されています。  アルバムの帯には、「限りなき愛を求めてダークがあなたに贈る不朽の名画主題歌集!」とあります。しかも、なんとドイツ録音盤!

ドイツで収録されたダーク・ダックス25周年のアルバム『愛のロマネスク』

 収録曲は『リリー・マルレーン』『追憶』『ロメオとジュリエット』『エマニエル夫人』『ある愛の詩』『ラストタンゴ・イン・パリ』『さらば夏の日』『風と共に去りぬ』など、全12曲です。 「うわ〜、僕たちと同じ年頃に、こんな素敵なアルバムをダークさんは出されていたんですね、とっても刺激になるな」と村上さん。  このアルバムから、今回、私がおかけした曲は、1972年、イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチが手がけた映画『ラストタンゴ・イン・パリ』(※2)の主題歌です。この映画は、大胆な性描写が世界中で物議を醸した作品で、本国イタリアでは、公開後4日にして上映禁止処分を受けたんです。

「『ラストタンゴ・イン・パリ』、僕も見ました!」と黒沢さん。

ダーク・ダックスが歌った映画の主題歌にゴスペラーズもビックリ!

 映画の話よりもレコードの収録曲のほうが大事! レコードに針を落とすと、ゴスペラーズさんの表情が変わりました。 「オー、イェイ! グルービーなアレンジだ!」と村上さん! 「ダークさん、こんな歌を歌っていたんだ!」と黒沢さん! 「女性も歌っているんですね!」と酒井さん!  そうなんです。このレコードはドイツで収録していて、ドイツ人の女性コーラス入り。よく聞くと日本語で歌っています。

「44年前のアルバムなのに、逆に新鮮ですね!」とゴスペラーズ大絶賛!

「すごくいいグルーヴですね! ジャズファンクとでもいうのか、クラブでもかけてもいい感じですよ!」  こういう歌を歌っていたことは、ダーク・ダックスさんのファンも知らないかもしれません。テレビ番組ではお馴染みの歌しか歌えませんが、アーティストは常に新しいジャンルに挑戦しなければいけないと思うんです。  番組のスタジオライブでは、ゴスペラーズさんの名曲『ひとり』と、25周年記念シングル『VOXers(ボクサーズ)』をご披露いただきました。どうぞ、3月7日放送の番組をご覧ください。 (※1)ダーク・ダックス。慶応義塾大学の男声合唱団のメンバーが結成した4人組コーラスグループ。55年にプロデビュー、ロシア民謡『ともしび』が大ヒットを記録し、『北上夜曲』『山男の歌』『銀色の道』『青葉城恋唄』などヒット曲多数。1987年にはギネスブックに最長寿コーラスグループの認定を受けた。 (※2)『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972年)。マーロン・ブランドが演じる中年男の孤独と性描写が世界中にスキャンダルを巻き起こした。
タレント、音“楽”家(おんらくか)。 邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。
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