仕事

外国人労働は過酷な現場ばかりでない。都内ホテルで清掃するネパール人女性の夢

ネパール人のラナさん

都内シティホテルで清掃のチェック業務を担当するネパール人のラナさん

 コンビニのアルバイト店員や飲食店の接客係。われわれがよく目にする光景の中で考えるだけでも、いまや日本社会において外国人労働者が欠かせないことはよくわかる。厚生労働省の発表によれば、日本の労働人口は2000年から30年で約586万人の減少が見込まれ、労働力不足は日本の喫緊の課題と言える。  そんな外国人労働者の受け入れが急務ななか、いま日本で働いている外国人はどんな思いで働いているのか。都内シティホテルでベッドメイクなどの清掃業を担当するネパール出身ラナ・アンジラさん(23歳)は来日して4年目。今は日本語も流暢に話し、日本人スタッフとのコミュニケーションにも困らない。 「仕事は楽しい。やりたいことを広げるため、今の仕事をもっと頑張りたいですね。日本語学校に通うお金も貯めています」  ホテルの仕事は週4日。上限の28時間いっぱいまで働いて手取りは月約13万円。外国人スタッフはなかなかコミュニケーションを日本人スタッフ(責任者)ととるのが難しいため、ベッドメイキングなど裏方の仕事が多いが、ラナさんは「部屋がきれいに掃除されているか」「お客様の忘れ物はないか」などチェック業務という、ワンランク難しい業務をこなす。
ラナさん

ラナさんは勤務態度もよく、日本人スタッフからの信頼も厚い

 とはいえ、来日した当時は苦労した。ネパールの看護の専門学校を卒業して専門技術はあるものの、日本語が話せなければ看護の仕事にはつけない。ラナさんが最初に行き着いたのは友人に紹介された居酒屋のキッチンスタッフだった。 「当時は自分の名前すら言えなかったので、店長が言うことに、ただ「はい、はい」と答えていました。当然ホールに立つこともできない。ひたすら流れてくる注文伝票の料理を作っていました。でも、そのうち“刺身”“唐揚げ”など漢字は読めるようになりましたね(笑)。日本語にも少し慣れきて、最後のほうはホールを手伝うこともありました」  その後、居酒屋のキッチンスタッフからビジネスホテルでの3年間清掃スタッフ勤務を経て、現在に至る。

電車マナー違反する外国人に優しくしてほしい

 日本での生活が4年目になるラナさんは現在、知人と月8万円の2DKの部屋でルームシェアをして暮らしている。日本語が話せるとはいえ、読み書きはまだまだ。日本の文化を勉強することも多いという。 「最初に日本に来て困ったのは、電車の車内マナーに関しての注意書きが読めないこと。マナーが全然わかりませんでした。そもそもネパールに電車がなく、慣れていなかったこともありますが、車内では静かにしないといけない、車内で電話してはいけないなどのマナーがあることを友人に教えてもらい学びました。外国人が車内でマナー違反をしてしまうのは、違反しようとしているのではなく、わからないから。優しく教えてあげてほしいです(笑)。  あと、時間を守ることも日本で学びましたね。ネパール人は時間を守ることが重要だと思っていません。私が日本で初めてアルバイトの面接に行ったとき、5分遅刻しましたが「たった5分ぐらい」と思っていました。でも、もう面接をしてくれなくて……。その出来事をきっかけに、日本で時間を守る事の重要さを学びました」
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日本の給料の高さに惹かれる
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