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<ネタバレ注意>『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨はなぜあの行動をとったのか?

 とはいえ、これは炭治郎たちからしてみれば、たまったものではありません。無惨は相手を道具や手段としてではなく、人として見られるようになりました。しかし、それでも鬼にされることを相手や相手の周りがどう思うかまでは想像しません。こうして無惨は最後まで利己的で、はた迷惑な悪役であり続けたのです。 「思いを託す、思いを受け継ぐ」というのは、いわば遺言です。亡くなった人の生前の言葉は、その言葉を思い出した人間に強い影響を与え、何かを決断する原動力になります。遺言は遺産相続に関するものと限らないのです。  鬼滅の刃では、死が非常に重く描かれています。炭治郎は「失われた命は回帰しない」と断言しています。この断言にある、「回らない」「帰らない」という命に対するニュアンスによって、思いを託し、受け継ぎ、繋ぐことが強調されています。この命の描き方は、作者の類稀なる才能です。  鬼滅の刃はフィクションですが、キャラクターの決断の過程は現実と変わりません。鬼滅の刃を読み返す時に、亡くなった人の遺言によって、残された人はどんな決断に至ったのかに注目してみてください。自分が何かを決断する時のヒントになってくれるはずです。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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