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<ネタバレ注意>『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨はなぜあの行動をとったのか?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第175回
刀

※写真はイメージです

『鬼滅の刃』(集英社)という大ヒット漫画があります。家族を鬼に殺された主人公の竈門炭治郎が宿敵を倒し、鬼になってしまった妹を人間に戻そうとする冒険譚です。  鬼滅の刃には、鬼舞辻無惨というキャラクターがいます。炭治郎の家族を殺して妹を鬼にした、物語のラスボス的存在です。彼は人間どころか、自分が配下にした鬼すら顧みることがありません。  彼には十二鬼月という幹部がいました。十二鬼月は上弦の6人と、下弦の6人に格付けされていましたが、この下弦の6人のうちの4人を自分の手で粛清しています。その理由は「役に立たないから」でした。  また、鬼は人間よりも強い肉体を持ちますが、日の光に当たると消滅するという、吸血鬼のような弱点があります。この弱点の克服が無惨の目的ですが、そのために「増やしたくもない鬼を増やし続けた」と断言しています。彼にとって自分以外の存在は、目的を達成するための手段や道具でしかなかったのです。 ※※※ネタバレ注意※※※ (単行本には未収録の内容が含まれますのでご注意ください)  しかし、そんな無惨にも考えを改める瞬間が訪れます。彼は炭治郎たちに滅ぼされそうになることで、「最強の鬼になる」という自分が果たせなかった夢を炭治郎に託します。その結果、炭治郎は鬼になり暴れ始めます。  決断には「人物の影響」があります。「炭治郎に夢を託す」という無惨の決断には、鬼殺隊の長だった産屋敷輝哉が影響しています。無惨と鬼殺隊の全面対決の直前、二人は会話を交わしていて、そこで輝哉は無惨に「生き物は例外なく死ぬが、その想いは不滅であり永遠だ」と伝えていました。  輝哉の考えを聞いた時、無惨はそれを一蹴していました。この時はまだ自分が打ち負かされることを想像すらしていなかったからです。しかし、自分の死を覚悟した瞬間、無惨は輝哉の考えを理解します。  もともと「鬼滅の刃」には、死んでいく者が思いを託し、残された者が受け継ぐ、そんな「思いを繋ぐ」というテーマがあります。たとえば主人公が属する鬼殺隊のリーダー格の一人、冨岡義勇は自分の代わりに死んだ姉と錆兎の思いを受け継いで、鬼と戦っています。  しかし、無惨はそうした思いとは無縁の存在でした。彼は千年以上生きる鬼で、自分の目的は自分で果たせると考えていたからです。彼は他の人間と同じように自分も死ぬと悟って、自分の心に誰かを含めることができるようになったのです。
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鬼滅の刃では死が非常に重く描かれる
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