『鬼滅の刃』から学ぶ、相談されたときに使えるアドバイスのコツ
―[魂が燃えるメモ/佐々木]―
いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第174回
『鬼滅の刃』(集英社)という大ヒット漫画があります。家族を鬼に殺された主人公の竈門炭治郎が宿敵を倒し、鬼になってしまった妹を人間に戻そうとする冒険譚です。
主人公の炭治郎には、「記憶の喚起」という特徴があります。炭治郎が属している『鬼殺隊』の隊員たちは、親しい人を鬼に殺された悲しみを抱えています。炭治郎はその悲しみに対して言葉を投げかけ、過去の記憶をよみがえらせることで彼らを奮い立たせます。
たとえばリーダー格である霧柱の時透無一郎には、「人のためにすることは結局巡り巡って自分のためにもなっている」と投げかけます。この言葉は無一郎の死んだ父親の言葉と同じものでした。この言葉をきっかけにして、無一郎は「剣士になって、鬼に苦しめられている人を助ける」という自分が戦う理由を思い出します。
炭治郎と出会った当初の無一郎は「刀鍛冶は武器を作るしか能がない」と話す辛辣な人間でした。それが過去を思い出すことで、「俺の刀を作ってくれてありがとう」と感謝するようになります。
また同じくリーダー格である水柱の冨岡義勇には、「義勇さんは錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」と投げかけます。この言葉をきっかけにして、義勇は友人だった錆兎が遺した「お前は絶対死ぬんじゃない。姉が命をかけて繋いでくれた命を。託された未来を」という言葉を思い出します。
義勇には「自分は水柱にふさわしくない」という負い目がありました。それが原因で他の鬼殺隊の隊士と打ち解けずにいました。それが過去を思い出すことで、合同の強化訓練にも参加するようになります。
蟲柱の胡蝶しのぶは死ぬ直前に、最後の力を振り絞って敵の鬼に一矢を報います。その直前に思い出したのが、炭治郎の「怒っているんですか?」という投げかけでした。
その投げかけに対して、「そう私怒ってるんですよ炭治郎君。ずっとずーっと怒ってますよ。親を殺された。姉を殺された。カナヲ以外の継子も殺された。あの子たちだって本当なら今も、鬼に身内を殺されていなければ今も、家族と幸せに暮らしていた。ほんとに頭にくる。ふざけるな馬鹿」と回想します。その回想に伴う怒りを原動力にして、彼女は最後まで戦い切ります。
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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