恋愛・結婚

彼女が“元男性”カップルの愛の形。交際中の3組を取材した 

性転換後、バツイチの彼と二人だけの密かな愛を育む

「去年の10月に性適合手術を終え、女性に変わった私が男性にどんなふうに見られるのか気になってマッチングアプリに登録したんです」  MtFであることなどすべてプロフィールに書き込んだ山崎奈緒美さん(仮名・31歳)に速攻でアプローチしたのが、バツイチの関野毅さん(仮名・33歳)だ。 「離婚した妻との結婚生活中も、子供は別にいなくてもいいと思っていたし、親への義理も果たした。だから、元男性でも気にならなかったし、単純に興味がありました」  昨年のクリスマスイブから交際を始め、すでに半同棲中だという。 「友人や同僚に『新しい彼女ができた』と写メを見せたら、『歴代の彼女の中で一番美人じゃん』って返ってきました。意外と気づかれないものですね」  あっけらかんとした性格の半面、忘れっぽい部分があるという関野さん。そこを元妻には責められ離婚の一因ともなったが、奈緒美さんは違ったという。 「そういう人間なんだと理解したら、『だったら、私が覚えておいてあげよう』と切り替えてくれた。人間としての強さや柔軟さを感じて、リスペクトしました」  手術後のリハビリも順調で、今では週5日ペースで男女と変わりない愛の営みに励んでいるという。 「定期的に膣のケアをするんですけど、彼に手伝ってもらっているうちにそのまま……という流れ。挿入すると最初は少し痛みがあるけど、イったら関係なくなります。一度に4回くらいイっちゃうので、男だった頃の射精より断然気持ちいい(笑)」(奈緒美さん)  ただ、友人たちには彼女が元男性と打ち明けられずにいる。 「大丈夫だと信じていますが、今は二人の関係が大切だから、もう少し先ですね」(関野さん)  奈緒美さんが女性になってから初めて肌を重ねた男性。このまま「たった一人の恋人同士でいたい」と密かな愛を育む。
次のページ
バーで出会った彼女が、元男性で世界観が一変
1
2
3
おすすめ記事