恋愛・結婚

女のテクに注文の多い男が、一瞬で自信を失った壮絶体験

目の前に屹立するビッグディックを…

 ミニスカおっさんは息を荒くしながら体をくねらせている。 (やろう! フェラをしよう!)  しゃがみこんで勢いよくレースのパンツをずり下ろすと、目の前には立派なものが飛び出してきた。デカかった。自分のものをはるかに超えるサイズ感に一瞬怯んだが、ケイジさんは昂る気分のままにビッグサイズディックを口に含んだ。  手も使って、舌も使って。この辺は絶対気持ち良いはず。男の身体は男である自分が一番よくわかっているはずだ。そんな謎の自信があった。きっと満足しているに違いない。  そう思って一生懸命咥えながら、ちらりと目線を上げると、おっさんはめちゃクソ白けた顔をしていた。今にも鼻でもほじり始めそうな勢いで白けている。  戸惑ったケイジさんが動きを止めると同時におっさんは言った。 「アンタ、すごいヘタクソなんだけど」  人は、頭で思い巡らせているだけのうちは何もわからない。  ケイジさんはミニスカのおっさんとの「遊び」によってショックを受けた。ショックを受けて教訓を得た。百聞は一見に如かず。馬には乗ってみよ、人には添うてみよ。物は試し。当たって砕けろ。あとなんだ? そもそも何の話なんだ?  ともかくも、何だって「やってみなければわからない」。  彼はそれ以来、女の子のフェラにダメ出ししたり、うるさく注文するのを一切やめたのだという。焼酎九割のウーロンハイを飲みながら語られるそんな話を、カウンター越しのわたしはゲラゲラ笑いながら聞いていた。<イラスト・粒アンコ>
(おおたにゆきな)福島県出身。第三回『幽』怪談実話コンテストにて優秀賞入選。実話怪談を中心にライターとして活動。お酒と夜の街を愛するスナック勤務。時々怖い話を語ったりもする。ツイッターアカウントは @yukina_otani
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