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大阪名物「づぼらや」が閉店… 熟女キャバ嬢「思い出が消えてしまった」

―[キャバ嬢に訊け]―
 大阪・新世界の老舗フグ料理店『づぼらや』が100年の歴史に幕を下ろすことが報道された。緊急事態宣言後の4月8日から、新世界の本店と道頓堀店を臨時休業していたが、営業を再開せず9月に閉店が決まったという。
づぼらや新世界本店

づぼらや新世界本店

 大きなトラフグの看板が『グリコ』や『かに道楽』とともに大阪の象徴として知られてきたづぼらや。今回は同店の思い出を大阪の熟女キャバ嬢に語ってもらった。

安くて美味しいから同伴にも最適

 まず、話を聞いたのは大阪・キタのスナックに勤務するサヤカさん(仮名・42歳)。18歳のときに大阪の大学に通うために長野県から出てきたサヤカさん。学業の傍ら、アルバイトをしていたキャバクラで客に連れて行ってもらったのが『づぼらや』だったという。 「地元のフグ屋では高いイメージしかなかったので、初めて食べた時は『大阪にはこんなにリーズナブルで美味しいフグが食べられるんだ!』と感動しましたね。づぼらやはリーズナブルなので同伴でも行きたいと言いやすかったんですよ。それからフグ料理が好きになったのですが、最初はてっちり(フグ鍋)とてっさ(フグ刺し)の区別が付かなくて、間違えて頼んでしまったことも(笑)。以前は、梅田にも支店があったので友人ともよく行っていましたね」  リーズナブルな価格で地元の人のみならず、旅行客からも愛され続けていた『づぼらや』。ここ数年はインバウンドバブルで外国人旅行客が常に行列を作っていたため、「最近、行けていなかったまま閉店してしまうのは寂しい」とサヤカさんは惜しんだ。

結婚祝いで利用も…

乾杯

写真はイメージです(以下同じ)

 続いて、「結婚祝いを『づぼらや』でお祝いしてもらった」と思い出を語ってくれたのは大阪・ミナミの熟女キャバクラに勤務するエミコさん(仮名・40歳)。 「22歳のときに付き合っていた彼の子供を妊娠して結婚するとなったときに、友人達が道頓堀のづぼらやでお祝いをしてくれたんです。リーズナブルとはいえ、大人数で散々飲み食いしたので当時の年齢にしては結構なお会計に……。そんなに盛大にお祝いしてもらったのに、わずか1年ほどで経たないうちに旦那が浮気して離婚してしまいました。それ以来、お祝いしてくれた友人からは『づぼらや代返せ!』と散々イジられましたね。未だに、あのフグの看板を見ると当時のことを思い出します(笑)」
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青春の思い出が…
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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