更新日:2020年05月29日 23:26
仕事

営業再開でも出勤したくない…キャバ嬢たちが燃え尽きたワケ

―[キャバ嬢に訊け]―
 5月21日に緊急事態宣言解除が発表された、大阪・京都・兵庫の関西3府県。全国的な新型コロナの収束が見えてきたものの、全国でクラスターが発生したキャバクラを含む夜の店での休業要請はしばらく継続されるようだ。
キャバ嬢

Zoomで取材に応じてくれたミカさん

 “新しいライフスタイル”として、今後の夜の店での接客スタイルが課題とされる中で、「店が再開されても出勤したくない……」と重い口を開くのは大阪のキャバクラに勤務するミカさん(仮名・25歳)だ。今回の長期化されている休業要請で、ミカさんのように仕事への熱意を失ってしまったキャバクラ嬢が全国的に増えているという。一体、どういうことなのか……。Zoomで取材を行った。

おじさん客とは二度と会わなくてもいい

「以前はレギュラー出勤で週5日働いていました。それが3月頃からコロナで徐々に店がヒマになっていき、それでも最初は頑張ってお客さんに営業もしていたんですよ。ところが、緊急事態宣言された週から店が休みになってしまって……、一気にヤル気がなくなっちゃったんですよね。店の再開はまだ未定なので、この1か月半は家でずっと引きこもり生活です。午後に目が冷めて夕方までベッドの上で充電がなくなるまでスマホをいじって、たまにPCを開いたり。夜になったら、ご飯を作って宅飲み。他には、たまに筋トレして深夜3時には寝る……という生活です」  元々、夜1本で勤めてきたキャバ嬢が長期間休んだことによってヤル気をなくしてしまう……のは割とよくある話だとミカさんはいう。
キャバクラ

写真はイメージです(以下同じ)

「休業中、お客さんには全然連絡していませんね。それに向こうもテレワークで家族もいるだろうから連絡もこないし。出勤しているときは気付かなかったけれど、ずっと会わないでいると、このまま二度と会わなくてもいいかな~とも思っちゃいます。  うちの店、女の子は大学生のアルバイトばかりなんですが、お客さんの年齢層は割と高いんですよ。すぐに触ろうとしてくるし、話も合わないし……。一番ムリなのが、店の19歳の女の子と付き合っていると勘違いしている40代の人です。『○○チャンと今日もLINEしちゃった』『今日もラブラブだったよ~』とか、どうでもいい報告をいっつもしてくるんです。それも毎回同じ話なのでもうウンザリ。  他には『昨日もキャバクラでシャンパン5本開けて~』と、酒飲めるアピールを毎回してくるオヤジとか。そんな客達に1か月半合わなくなったので、メンタルもだいぶ回復してきましたね(笑)」  ミカさんは最近、家でWebデザインをするのが唯一の趣味だという。その特技を活かして昼職への転職も考えたというが……。 「これを機に夜を上がろうと昼職の求人も見ていたのですが、やはり今の時期に良い条件はなかなか見つからなくて。それにキャバの時給と比べると安すぎて、絶対にムリ……と思っちゃうんですよね。でも、今回の休みで分かったのですが普通に生活する分には家賃込みでも月15万円ほどでどうにかなるんだなと思いました。店が再開されたら週3くらいで仕事して、あとはWebデザインの資格でもとって適当に働こうかな……。でも、その前に店が再開されるまでのカウントダウンが恐怖で仕方ないですけれどね……」
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もう店に行く必要がない?
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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