――今どんなことをしたいとか、どんな風にファンの方の前に出たいという欲求のようなものはありますか？ 芹澤：ライブやイベントができなくなったことで、照明や音響を仕事にされている方々が困っているのを近くで感じているので、そうした方々と一緒に「チーム芹澤優」として素晴らしいコンテンツを作りたいという想いはあります。あえて無料ではなく、作り込んだものにお客さんが参加することで次につなげていけるようにしたいなって。 　ありがたいことに、ラジオのパーソナリティとか、日常的に言葉を発信できる機会は頂けているので、普段は見れない芹澤優をお届けしたいですね。 ――日常のあり方も変わっていく、この想定外の事態に、弱音を吐きたくなったことは今までありましたか？ 芹澤：自分で言うのもアレなんですけど、私すごく寂しがり屋なので、家族に会えなかったときは弱音を吐きたくなりました。きょうだいとも親とも仲が良くて、悲しいことがあるとよく実家に帰っていたんですけど、私はこの時期にまったく仕事がないわけじゃなかったので、都内で外出することもある私が今実家に帰るのはちょっとな……って思って。テレビ電話とかで心をつないでいました。 ――コロナ禍がいつ収束するかはわからないですが、もし何も気にしなくていいとしたら、どんなことがしてみたいですか？ 芹澤：会場を借りてギッチギチにオールスタンディング（笑）。内容は、ソロで歌ってユニットでも歌って、友達呼んでカラオケしてお客さんも入れて……っていうフリーダムなライブイベントをしたいです。あ、「魚釣るまで帰れま10」とかもやってみたいです（笑）。釣った魚はその場でさばいて食べます！ ――またライブがしたい！ という想いが伺えたところで、改めて今回の映像作品を掘り下げたいと思います。“セリコ的見所”をお教えください。 芹澤：ライブ前半と後半をそれぞれ、かわいらしいポップなイメージと、今までに見せたことのないちょっとセクシーな感じとを意識して構成したので、そのメリハリは今回のツアーの見どころかなと思います。あとは、全国8ヶ所をバンドメンバーやファンとめぐって創り上げてきたグルーヴ感というか、強い一体感にも注目してほしいですね。 ――以前にインタビューでi☆Ris としての転機についてお話されていましたが、芹澤さん自身にとって今回のソロツアーは転機となったでしょうか？ 芹澤：今、振り返るとなんですが、ソロとしては1stシングルの『最悪な日でもあなたが好き。』がターニングポイントだったなと思います。でも、「大いなるターニングポイントはまだ先にあるはず！」という気持ちです（笑）。 ――グループのライブとソロではやはり違いますか？ 芹澤：i☆Risのライブは、メンバーのおかげでほとんど緊張しないんですけど、ソロだと今でもすごい緊張します。普段おしゃべりなのに、急に静かになったり、顔が強ばったりしているみたいで、デビュー当時からお世話になっているメイクさんに「変だね」って言われるくらい（笑）。 ――今回のセットリストのなかで、初めての方に見てほしいポイントなどはありますか？ 芹澤：「ハイハイハイハハイテンション」と、「デビきゅー」はYouTubeに試聴動画があがっていているので、「はじめまして」の方にはぜひ一度見て頂いて「なんだこのカワイイ子は！」って思ってほしいですね（笑）。 「ハイハイハイハハイテンション」は自分で作詞をしていて、私の脳内みたいな歌詞になっているので、私をよくわかってもらえると思います（笑）。「デビきゅー」はパパイヤ鈴木さんにとてもキャッチーな振りを付けて頂いて、みんなで一緒に踊れる曲なのでダンスにも注目です！

――では最後に、今回の映像化を楽しみにして、芹澤さんの次のライブを心待ちにしているファンに一言お願いします。 芹澤：この時期、悔しいこととか、やるせないこととか色々あると思うんですけど、今回のライブ映像を見て「やっぱりカワイイな！」って元気出してもらいたい。「生で会ったときの可愛さ」を想像しながら、なんとか待っててほしいなあって思います。生だと私、さらにカワイイですからね……！　マジですよ……！（渾身） 　でも完全な収束を待っていると果てしないと思うので、こちらからも、ちゃんと色々な制約を乗り越えた上で一緒に楽しめるものを作っていきます。今はまだ色々なアイデアを出している段階ですが、そう長くかからずにお知らせできると思います！ 【芹澤優（せりざわ・ゆう）プロフィール】 1994年生まれ。声優アイドルユニット「i☆Ris」のメンバーであり、声優・ソロのアーティストとしても活躍。少女向けアイドルアニメ『プリパラ』シリーズでは、メインヒロインの一人・南みれぃ役を務める。2019年の第13回声優アワードでは助演女優賞を受賞。『Yu Serizawa 1st Live Tour 2019 ～ViVid♡コンタクト！～』Blu-ray＆DVDが発売中。 ＜取材・文／久保内信行　撮影／林 紘輝＞