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鉄道不通区間の[代行バス]に乗ってみた。日本最長116㎞の代行バス路線も

代行バス区間には、あの名作映画の舞台となった駅も

 筆者を乗せた東鹿越駅代行バスは予定通り出発。だが、最初に停まったのは、駅ではなく新得郊外の山の中腹にあるサホロリゾート(※通過する代行バスもある)。  代行バスは基本的に不通区間の駅に停車するが、このように駅以外にも停留所を設けている場合がある。不通区間の通過が目的の人にとっては遠回りになるので不便かもしれないが、反対にそこに向かう人にとってはむしろ便利だ。  しかし、サホロリゾートで乗り降りする者はなく、代行バスはその後峠道へ。新得駅と隣の落合駅の間には標高644mの狩勝峠があり、晴れていれば十勝平野が一望できる。
狩勝峠からの車窓の景色

狩勝峠からの車窓の景色

 この日は少しガスがかかっていたが、それでも眼下に広がる景色を眺めるのは気持ちいい。列車ではここまで標高の高い場所を通らないし、峠道はトンネルも少なかったので車窓の景色を存分に満喫することができた。
落合駅

落合駅

映画『鉄道員』舞台の幾寅駅。看板は劇中の幌舞駅のまま

映画『鉄道員』舞台の幾寅駅。看板は劇中の幌舞駅のまま

幾寅駅構内

幾寅駅構内

 代行バスは駅敷地内が雑草で覆われていた落合駅を通って幾寅駅(南富良野町)へ。ここは故・高倉健主演の映画『鉄道員』のロケ地で、幾寅駅は劇中で健さんが駅長を務めた「幌舞駅」として使われた。築87年になる現駅舎には「ロケーション記念展示コーナー」(※入場無料)としてロケセットの一部や衣装、出演者のサインなどが公開。
幾寅駅前

幾寅駅前

幾寅駅郊外のラベンダー畑

幾寅駅郊外のラベンダー畑

 せっかくなので筆者はここで途中下車。次の代行バスが来るまでの約3時間、駅や周辺を散策してみることに。夏場でもそれほど気温は高くなく、カラッとした暑さなので歩いていても心地よい。
東鹿越駅

東鹿越駅

 町の中心部から少し離れた場所にある道の駅で鹿肉カレーの昼食を取ってから駅に戻り、やってきた代行バスに乗って東鹿越駅に。幾寅駅から歩いても1時間ほどの距離で駅周辺に人家はなく、かなやま湖という人造湖の畔にある。  代行バスは同駅出発の列車の接続に合わせて運行されており、到着後10分も待たずに出発。途中下車しなければ新得駅から東鹿越駅までは1時間弱。峠道や田園風景、湖と景色が目まぐるしく変わるので飽きさせないはずだ。
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日本最長116㎞の代行バス路線
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