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ブレイク前の「サンドウィッチマン」を本気にさせた“ある先輩芸人”

悔しさが人を変える

 この時の伊達の心情は「対抗心」です。伊達は相手に差をつけられたと感じ、その差を埋めようとして、M-1グランプリに本気で取り組むようになりました。このように相手と同等以上になろうとすることで、人は行動できるようになります。  伊達が悔しさを感じたのは、比較する相手が身近な人間だったからこそです。同じお笑い芸人でも島田紳助やダウンタウンのようなレジェンドと比べたら、あまりにも差がありすぎて「悔しい」という気持ちにはなりません。  自分と同じファミレスや居酒屋に行って、自分と同じ舞台に立って、自分と同じようにM-1グランプリに出場したのに、その結果だけが異なる。だからこそ、伊達は悔しさを感じたのです。  また、富澤たけしも東京ダイナマイトの決勝進出について、「2回戦程度で負けてる情けなさと、僕らだって上に行けるかもしれない! っていう希望が、同時に湧き上がった」と振り返っています。このように本気の正体は、「人物の影響」です。  仕事や勉強や運動で、「こうした方がいい」「こうすべき」といった理屈をいくら考えても、やる気は湧きません。また、「好きなこと」「やりたいこと」といった好みや願望について考えても、やはりやる気は湧きません。それはやる気の正体が理屈や物事ではなく、人間だからです。 「これからは本気でやるぞ」と思って本気になれるのなら、誰もやる気不足で悩んだりしません。「こうすべき」という理屈や、「こうしたい」という願望を抱えながら、何もできないまま何年もくすぶり続けてしまう。こうした悩みは、「人物の影響」の軽視に原因があります。  サンドウィッチマンの体験は平たく言えば、仕事のモチベーションです。そして、同業者や同僚に対する競争意識は、目立った結果を出すための良いモチベーション源になります。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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