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月5000万円の赤字! コロナで崖っぷち、ライブハウス・ロフトの新しい稼ぎ方

アメリカ在住の町山智浩さんもやっと呼べた

――逆に思ったより伸びなかったジャンルはありますか? 石崎 こういう時期ですから、政治系のコンテンツはもっと見られるのかなと思ったんですけど、意外と伸び悩みました。東北大震災の時は、原発の問題とかフリージャーナリストの方々のイベントとか盛況だったんですよ。 加藤 今はYouTubeの「Choose Life Project」(報道・ドキュメンタリー番組などを制作する有志による映像プロジェクト)みたいに政治系の質の高いトークが無料で見れちゃうから、有料配信は難しいのかもしれない。 ――無料コンテンツがこれだけあると、有料のハードルも高くなりますよね。 石崎 あと配信になって面白いのは、Zoomを使うことで地方や海外からのゲストを呼びやすくなったというのがあります。映画評論家の町山智浩さんとかずっと呼びたかったんですけど、アメリカ在住だし、日本にいる時は忙しいから会場まではなかなか呼べなくって。でも今はみんなそれぞれの家でZoomからでお願いできますし、吉田豪さんと杉作J太郎さんの配信イベントに出てもらったときとか、豪さんが歌舞伎町、Jさんが松山、それに町山さんがアメリカと今までにない三元中継でやりましたからね。

コロナ以降、新しいライブハウスのかたちが生まれる

加藤 配信だとお客さん同士がライブ中にチャットでやりとりしたり出来るのも、会場とは違うところですよね。 ――実際のライブだと隣の人に話したり出来ませんもんね。 石崎 配信ライブの将来的な形としては、お客さん同士が共有して楽しむコミュニティになっていく形もあるのかなと。オンラインゲーム『フォートナイト』みたいに「10時に集まってやろうぜ」みたいな感じになるという方向性もある。例えば「10時に皆でロフトプラスワンの配信を見ようぜ!」みたいに。“何を見るかというのと“誰と見るか”ってのが重要になっていくんじゃないかな。お客さんが出演者のやりとりを見れるZoomのウェビナー機能を使った配信トークなんか見てるとそれは感じますね。 ――バンド出演が多い「新宿ロフト」も、7月から少しずつライブも再開しています。お客さんも以前に比べるて安心して見に来てる感じはしますか? 加藤 6月にライブハウスの感染予防ガイドラインを作られてからは、お客さんがマスク着用や検温はもちろん、密集しないとか大声で騒がないといったことにも協力的ですし、マナーは浸透してきてますよね。出来るだけの事はやれていると思います。
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それでもライブハウスは残したい
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