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JリーガーのセクハラLINE問題にみる、男のトークが急にキモくなる瞬間

女性 コンプレックス

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デリケートな話題ってわかってる?

 そもそもなのだが、男性の中には「相手を性的に見る」ということを、なにかプラスのことのように捉えている人がいるが、すでにそこから間違いが始まっている。そういう誤解をしている人は女性にもいるが、男性たちの勘違い率は異常だ。  よく「『嫌い』はいっちゃダメだけど、『好き』はプラスの表現だからいっていい」みたいなことをいう男性も見かけるが、それも間違っている。なんか真夜中に1回か2回くらい会っただけの男性から「ごめんなさい、好き。それだけ」みたいな変なLINEをもらうことがあるのだが、ああいうのが1番ウザい。興味のない相手からの好意なんて、迷惑でしかないからやめて欲しい。  それと同じで、「相手を性的に見る」ということをプラスだと勘違いしている男性は、そういうこともなんの躊躇もなく相手に伝えてしまう。「足がエロいね」だの「おっぱい大きいね」だの、普通発してはいけないとわかりそうな言葉を思った瞬間に口にする。  そもそも相手の身体的特徴はデリケートな話題だ。ハゲた人を見て「ハゲてるなー」と思っても、本人に直接「ハゲてますね」とはいわないだろう。そりゃあ、中にはハゲてることを「ハリウッド俳優みたい」なんて思って誇りに感じてる人もいるかもしれないが、一般的に気軽に触れる話題でないことくらいわかるだろう。自分の価値観が全員に通用するわけではない。

「性欲の対象」にされることのリスク

 そんな風に男性でありながら、ついつい『キモい』と思う男性たちの言動をその身に受けていると、福田選手の「お互い既婚者だし、向こうも返信くれたし」の盛大な勘違いっぷりも容易く想像がつく。  要は自分がどれだけ気持ち悪いメッセージを送っているか、男たちはわかっていないのだ。「なんで? 性的に見られたってことは、女として魅力的に見られたってことだよ。嬉しいはずでしょ?」くらいに思っている。なんともおめでたい思考回路である。  というのも、これだけ厳しい言葉を書き綴れるのは、僕自身がかつてそういう男性の1人だったという自覚があるからだ。  男性というのは、アプローチされる側に回る経験が少ない。「告白は男性から」とか「デートは男性がリードするもの」とか、そういう空気を感じている人は結構いるだろう。僕はいま日常生活でナンパなんかされると「めんどくさいな」としか思わないが、女性の格好を始めたてのころは嬉しかったことを覚えている。  なんというか新鮮だったのだ。自分の美が評価されたような気になったり、チヤホヤされていると感じたりもした。しかし、その経験が10回、20回となってくるとさすがにうんざりしてくる。それに中には腕を掴んできたり、身体に触れてきたりする輩もいるので、身の危険を感じるようにもなった。

モテたいなら「急がば回れ」

 多くの女性にとって、男性から性欲の対象にされることはリスクのほうが大きいのだ。「そんなの嫌なら断ればいいし、無理やりされそうになったら抵抗すればいいじゃん」なんていうのは、生まれながらにして女性より体格や力で上回る男性の身勝手な解釈でしかない。  だからこそ、楽しく話せていた下ネタも、自分のほうにその矛先が向くと急にキモくなる。もう安心安全に会話のできる人物じゃなくなるからだ。これが実際の会話になっても、LINE上でのメッセージのやりとりになっても同じである。  福田選手の件はともかくとして、「女性と楽しく会話がしたい」「女性にモテたい」と願う男性はたくさんいるだろう。だが、急がば回れだ。セックスがしたいがために性欲を剥き出しにすると、むしろセックスは遠のく。  モテる以前に、女性に恐怖心や嫌悪感を抱かせない男性であること。普段の言動のみならず、SNSやLINEでのメッセージもそういう心持ちでいることが大切だ。
1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
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