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「金子半之助」の天ぷらめし。行列の絶えない理由

素材本来の味が活きる薄く繊細な天ぷらの衣

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半熟玉子の天ぷらをごはんにのせて真ん中から割ると、黄身がとろりと溢れ出す

 天ぷらをそっと箸で持ち上げて口に運ぶ。まずはつゆをつけずにそのままいただく。最初に軽い衣の食感。その下から顔を出した素材の旨味が口の中で弾ける。天丼と天ぷらの最大の違いは衣にある。天丼は衣を重ねてまとわせサクッとした食感を演出する。繊細な衣を幾重にも重ねて「花を咲かせ」ることでスナックのような食感を出しつつ、そこでタレを絡ませる。  一方、こちらの天ぷらは口に入れた瞬間に素材の個性が顔を出すよう、薄い衣で勝負している。それゆえ、衣がサクッとしている時間は長くないから、揚げたてをすぐにいただきたい。天ぷらは塩で食べてもいいが、自慢の濃いめのつゆがよく合う。揚げたての天ぷらを大根おろしがたっぷり入ったつゆに軽くひたすと、薄い衣は茶色に色づく。最短距離でまっしろな白米の上に軽くワンバウンドさせたら、すぐに口に運ぶ。サクッとした衣、パンチのあるつゆの風味、具材の旨さを一度に味わう。  旨い。思わずうなる。だが、何かが足りない。そうだ、ごはんだ。天ぷら・つゆ・ごはん。その3者が口の中で織りなすハーモニーをしばし堪能したら、白だしのあさりの味噌汁でほっと一息。ごはんが足りなくなったらお代わりを頼めばいい。

一番人気・穴子の天ぷらめし

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金子半之助の「穴子の天ぷらめし」

 また一番人気のメニューが「穴子の天ぷらめし」。江戸前の代名詞ともいえる穴子をサクサクに揚げた天ぷらは金子半之助を代表する人気の一品。  寿司屋で甘いツメをつけて食べる機会の多い穴子だが、揚げることでふっくらと仕上がり、白身の持つ豊かな風味が一層際立つ。天つゆにつけて口に入れると、衣に閉じ込められた香りが一気に溢れ出す。天ぷらの王様は海老ではなく穴子であると確信する。 ▼金子半之助の「穴子の天ぷらめし」 天丼金子半之助の代名詞ともいえるメニュー。豊洲市場にある穴子専門の卸業者から仕入れた新鮮な穴子は臭みも少なく、その大きさにびっくりする人も多いとか。1480円(税抜き)

小玉ねぎの天ぷら、豊かな甘さを堪能

 小玉ねぎの天ぷらは、もう一品食べたいと思ったときに重宝するだろう。熱々の揚げたてをいただけば、口いっぱいに広がる玉ねぎの甘さ。こちらは塩でいただき、玉ねぎの豊かな甘さを堪能したい。
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金子半之助の「小玉ねぎ」

 金子半之助の天ぷらを食べたらきっと後悔する。なぜなら、数日後にはその中毒性に悶え苦しむからだ。それでも食べるべきか、自身で判断してほしい。この原稿を書いている間、私はずっと天ぷらのことを考えていた。そして限界が訪れようとしている。  ああ、金子半之助の天ぷらが食べたい。 ▼金子半之助の「小玉ねぎ」 ペコロスと呼ばれる小さめの玉ねぎは、丸ごと揚げることで甘味がギュッと閉じ込められ、かつジューシーに仕上がるので一口でいただきたい。150円(税抜き)
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