更新日:2023年10月12日 16:58
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「そろそろ次のキャリアを考えたら?」戦力外通告を受け、料理を武器に…“料理芸人”が語るブレイク前夜

料理好きを自称する芸人は多くいるが、自ら「料理芸人」を名乗る者は他にいないはず。最近、初となる単著 『魔法の万能調味料「料理酒オイル」』(ダイヤモンド社)を上梓したばかりのクック井上氏に話を聞いた。
クック井上

クック井上氏

「料理芸人」を名乗るまでの経緯

――出版おめでとうございます。どんなきっかけで本を出されることになったんですか。 クック井上:ありがとうございます。2年前、『あさイチ』(NHK)で「料理酒オイル」を紹介したんですが、それを見たライターさんから本を出さないかとお話をいただきました。「料理酒オイル」はタイトルの通り、どんなお料理でも美味しくしてしまう万能調味料です。例えば、家庭では諦めていたシナシナの野菜炒めが一生シャキシャキになります。 ――私も実際に家で試したのですが、とても素晴らしい調味料だと感じました。いつもの野菜炒めが格段においしくなりました。クックさんの料理の腕は疑う余地はないです。ただ、もともと芸人さんなの? それともお話が得意な料理家さん? どちらかわかってない方も多いと思います。 クック井上:そうかもしれません(笑)本業は……芸人ですが、今は仕事の99%がお料理関係です!お料理をお仕事にさせていただくことが増えて、「料理芸人」を名乗るようになりました。

「関西出身なのに」東京で芸人になった理由

――もともとやりたかったのは芸人さん? 料理? クック井上:関西出身なんですが、大学の演劇コースに進んだのは、自分で何かしらの表現をしたいという思いがあったのは間違いないです。大学の受験番号が一番違いだったのが相方(ポリス二郎)でした。 大学3年の学園祭で、お笑い大会に出たんですが、そこでたまたま優勝しました。 優勝商品の自転車はすぐさまフリマで売って、それで飲みに行きました(笑)。ただ、すぐに芸人になろうとは思っていませんでした。大学4回生になったころ、企業に就活の資料請求をしようとしたら、相方から「芸人にならへん?」と言われたのがきっかけです。 ただ、芸人を目指すもっと前からお料理は大好きだったので、どちらが先かというと料理です(笑)。 ――それで東京へ。大阪で養成所に通うという選択肢もあったのでは。 クック井上:たしかにそうです。22歳という遅いスタートだから、大阪より東京のほうがチャンスはたくさん転がってそうだし、当時は“東京は面白い芸人がいない”と思ってたんです。アホすぎて笑っちゃうでしょ?でも、いざ東京にきてテレビをつけてみたらラーメンズさん、アンジャッシュさん、アンタッチャブルさん……いや、当時はまだ名もなき地下ライブで見た芸人さんでさえ面白い人がゴロゴロいて、ものすごい衝撃を受けました。 ――東京の芸人が出てる番組は関西では流れてなかった? クック井上:関西とは笑いに対するアプローチが全く違うと感じましたし、当時、関西では見ることができなかった芸人さんがこんなに面白いのかと。でも出てきてしまったんだから、どうにかしないといけない。こっちにいた大学の先輩に、地下ライブの出方とかをいろいろと教えてもらいました。
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「戦力外通告」を受け、料理を武器にしようと思った
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