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個性派「焼売」を味わう。チーズ、ジビエと新タッグが続々登場中

こだわりのソースが素材の旨味を引き立てる

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焼売酒場小川の「変わり焼売 仔羊」

 一方、仔羊や鴨などの変わり食材を焼売の餡にして、ワイン、日本酒と巧みにペアリングさせてしまうのが「焼売酒場小川」。シェフは、ミシュラン星付き店で修業を積んだ、小川將さんだ。店内もブラッスリーのような雰囲気だが、品書きには焼売と和洋の酒肴が並んで、和洋中の折衷酒場といえる。 「フレンチの経験を生かして、まずソースを考えてから、焼売の餡を決めることにしました。『仔羊』には『パセリのオイルとトマトソース』、『鴨』には『ほおずきとからしのソース』を合わせます」  粗めに挽いた仔羊の餡は、それだけで十分な旨味だが、トマトの酸味とパセリの香味、オリーブオイルのコクが加わると、なお箸が進む。赤ワインと合わせると、口の中で仔羊の旨味が膨らむようだ。  鴨肉とキノコのソテーが餡の「鴨」は、ほおずきの甘味と酸味をプラスすれば、爽やかな味わいに。すっきりとした後味で、白ワインと合わせやすい。

看板メニュー「岩中豚特製焼売」には山椒をつけて

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手前から時計回りに「変わり焼売 仔羊」「変わり焼売 鴨」「岩中豚 特製焼売」

 また旨味の濃い岩手県産・岩中豚と玉ねぎの餡を包んだ、看板メニュー「岩中豚特製焼売」には、山椒をつけて。豚肉の旨味が舌を伝ったあと、山椒の香りとともに鼻を抜けていくのが心地いい。  他にも、だいだいと青唐辛子のタバスコで食べる薫製焼売「隠し焼売」がオンメニュー。これだけでも十分独創的なのに、この12月からは海老出汁のソースで食べる「鶏焼売」も登場、こちらは日本酒に合う一皿だ。  皮で餡を包めば、それは焼売。調理法やソース、酒とのペアリングなど、専門店の個性派が、もはや日本の食文化ともいうべき焼売を、より楽しい味にしている。 ▼焼売酒場小川の「変わり焼売 仔羊」 肉屋に特注して粗めに挽いた羊肉に塩麹を加え、滋味を引き出した餡。薄皮で包んだ焼売は蒸したら一晩置き、注文を受けた後に再度蒸す。2度蒸しを経て、餡と皮がよりなじむ。1個230円(税抜き)。
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酒のアテにもなる使い勝手のいい小皿料理
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野田焼売店紀尾井本店
東京都千代田区紀尾井町1-2 東京ガーデンテラス紀尾井町 2F 11時30分~15時LO、17時~22時LO(土・日・祝21時LO) 定休なし
よだれ鶏が人気の一品

焼売酒場小川
東京都渋谷区渋谷3-1-10 1F 12~14時、18~22時 定休日:日曜、祝日
ダッチオーブンで焼く「玉子焼」や、鶏、うなぎの串焼きも評判。※お通し代300円(税抜き)

※新型コロナウイルスの影響により、営業時間や定休日が変更になっている可能性があります。最新情報は店舗にお問い合わせください。
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