恋愛・結婚

生涯婚活時代がスタンダードに。IBJ社長に聞く「ニッポンの結婚の未来」

“密”が基本の恋活・婚活が制限された2020年。今後どうなる?

石坂茂 馬渕磨理子馬渕:しかし、今婚活に大きな変化が起きています。恋愛は、会って、話して、デートして…が基本です。つまり“密”であることがレゾンデートルと言ってもよい。それが満足にできない2020年から、婚活の景色も様変わりしたのではないでしょうか。 石坂:コロナの影響はそれなりに受けています。新しい中期経営計画では、計画を後ろにずらし、6年後に日本の成婚数の5%である2万5000組をIBJから生み出すというイメージにしたいと思っています。 馬渕:やはり婚活を自粛した方もいるんですね。 石坂茂 馬渕磨理子石坂:しかし、より真剣に自分と向き合ってパートナーを見つけたという人が増えたのも事実です。たとえば、オンラインプロポーズが成功したカップルも生まれました。 馬渕:オンラインでプロポーズですか。 石坂:これはもうびっくりしました。緊急事態宣言下以降、結婚相談所「IBJメンバーズ京都店」から、「初めてオンラインプロポーズが成功したカップルが現われました」という連絡がありました。驚きとともに、嬉しかったです。 馬渕:昨年、オンライン○○はさんざん耳にしましたが、まだまだ知らない“○○”があるんですね。 石坂:それで言えば、オンラインデートで海外デートのプランをIBJでは提案しました。例えば、オンラインでフランスの美術館で一緒に絵をみるデートの段取りなど、それぞれのカップルにあったプランも考えています。

オンラインパーティーも開始

石坂茂 馬渕磨理子馬渕:さらにパーティー事業においても、オンラインパーティーを4月から試験運用されていて、2020年11月からサービスが本格化しているそうですね。 石坂:昨年5月ごろまではZoomを活用したオンラインパーティーをやっていましたが、昨年末に自社でオンラインパーティーのシステムを開発しました。 馬渕:オンラインパーティーは相手の雰囲気がわからない、そのままパーティー後に食事に行けないなどデメリットはすぐに浮かびます。参加するメリットはなんでしょうか。 石坂:オンラインパーティーは実際に会場に来るよりも、ストレスフリーという意見が多いですね。時間通りに会話の相手も切り替わるので、対面のパーティーより効率的です。何より、地方のニーズを喚起することに役立っています。 馬渕:婚活は、パートナー候補の人口が少ないことから非都市部はどうしても不利になりがちですよね。 石坂:そうです。婚活市場は東名阪に圧倒的に偏っていたのがこれまででした。この領域を変えていけるのではないかと思っています。特に、地方では県内での出会いを重視される傾向が強いです。でも、隣接県ぐらいは車でも行けますよね。そこの心理的ハードルをIBJがオンラインパーティーを最初の接触ポイントにすることで下げていきたいのです。
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60代、70代も婚活する時代に突入している
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