恋愛・結婚

生涯婚活時代がスタンダードに。IBJ社長に聞く「ニッポンの結婚の未来」

60代、70代も婚活する時代に突入している

石坂茂 馬渕磨理子馬渕:この一年、経済メディアは経営者にインタビューすると、判を押したようにコロナの話になりがちです。ここでは、長期的な話を聞かせてください。中期経営計画の中で、「シニア向けの結婚」「国際結婚」についてIBJは言及されています。シニア婚が増えているのでしょうか? 石坂:シニア婚のマーケットは直近10年でかなり拡大しています。10~15年前だと、婚活は30代がメインでした。が、今は60~70代も含んだ「生涯婚活」が定着しつつあります。毎月、70代のカップルが誕生していますから。 馬渕:平均寿命が84.1歳の日本なら、なんらおかしくないですね。 石坂:シニア婚活の最大の特徴は、お子さんを産むことは前提としないパートナーシップ探しであること。これ、社会にどんな効用をもたらしているかわかりますか? 馬渕:シニア世代も生き生きと生活できる…などでしょうか。 石坂茂 馬渕磨理子石坂:それに近い。実は、孤独化対策になるんです。シニアの方が生き生きと健康であり続けるために、パートナーの存在はすごく大きいのです。もう一つ、シニア婚は日本の結婚の未来を先取る大きな特徴があります。 馬渕:なんでしょうか。 石坂:シニア婚は、必ずしも法的な形の入籍をするわけではないんです。 馬渕:つまり、事実婚も少なくないと。 石坂:そう。真摯なパートナーシップ契約といった感じでしょうか。しかし、事実婚でも当然ながら孤独化を防ぐことにつながっています。今後は、よりシニア婚のニーズに合わせたサービスを提供していく予定です。

国際結婚のニーズは?

石坂茂 馬渕磨理子馬渕:さらに、国際結婚も力を入れられる、と。これはどういった狙いでしょうか。 石坂:よく、テレビで「日本の女性が世界のこんなところで結婚して頑張っている」といった番組がありますよね。 馬渕:私も見たことがあります。 石坂:日本の婚活マーケットは実は女性の方が少し多いです。6:4で女性が多い。彼女たちのニーズを満たすために、どうしたらよいか。ずっと考えていました。そこで出てきたのが国際結婚でした。 馬渕:なるほど。 石坂:日本の女性が世界に羽ばたいていくと、人口減少にもつながります。日本に来てくれる魅力的な外国人男性と日本の女性が結婚すれば、その問題も一部は解決しますよね。 馬渕:なるほど。とはいえ、国際結婚は人口比で言えばまだまだ少ないです。国際結婚のニーズはどれくらいあるのでしょうか? 石坂:我が国では、年間約2万件が国際結婚しています。妻が日本人で夫が外国人の場合、最も割合が高いのは韓国人で約25%。続いてアメリカ人が約15%です。韓国の若い人たちは日本の漫画やカルチャーに興味があります。日本の女性はK-POPや韓国ドラマ大好き。文化的にも近いし、国も近いので今後さらに韓国人男性と日本人女性のカップルは増えるでしょう。 石坂茂 馬渕磨理子※ ※ ※  今後、シニア婚と国際結婚が増えれば、マクロ経済も大きく影響を受けそうです。コロナ禍の“オンライン婚活”にとどまらない、長期的な日本の婚活市場を伺えた今回のインタビュー。  パートナーシップの多様化、子育ての多様化が進む現在、IBJはその社会の変化を見据えた次の一手を考えているようです。
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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