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<純烈物語>紅白の猛烈紙吹雪の演出は渋公配信ライブのオンラインラウンドにあった<第82回>

“隣でやった”渋公配信ライブをNHK関係者が見に来ていた

「決定ボタン押してくれましたか? あんな紙吹雪が舞うなんて聞いてないからね。何かが起こるとしか言われてなくて、目の前にデカい扇風機があったのよ。何も起こらなかったら自分で持って帰ってくださいっていうことかと思いつつ、何かドッキリ仕掛けてくるかと思ったら……面白かったなあ。北島三郎さんに、紙吹雪食べろと言っていただいてね。これからは俺らが毎年花吹雪やらなあかんな」  酒井によると、やはりあの演出は11月の配信ライブでやった「オンラインラウンド」がヒントになったのだという。当日、NHKの関係者が見に来ていて「これはすごい!」と心を動かされた。  そして、紅白でも見ている人たちとつながることはできまいかと、リモコンを使って参加できる方法を思いつく。スーパー・ササダンゴ・マシンのアイデアが、紅白という場で形を変えて実施されたのだ。  出演者が見えないという放送事故級の映像が、また純烈らしくお祭り騒ぎっぽさも出た。白川の半ばヤケクソ気味な表情でむさぼりつくさまもアドリブが利いており、うっ積した2020年も最後の最後で“紙吹雪パーティー”が日本列島を包み込んだ。  想定していなかった事態が起こることを“降ってくる”と言うが、あの日は本当に大量の紙吹雪という形でハッピーが降ってきた。そんな話を、遠足から帰ってきて親へ報告するかのごとく嬉しそうに酒井が話す。  純烈にとって、紅白は結成以来の目標だった。つまり、実現させるまでは出ることに意義があった。

「2回、3回と出るうちに紅白の位置づけが変わっていった」

 それが2回、3回と続くうちに位置づけが変わっていった。出るだけでなく、参加することでありつけるものがたまらなくなっていったのだ。 「この状況下で、スタッフさんが1年かけて『うたコン』とか『BS日本のうた』とかでずっと試行錯誤しながら、なんとか紅白がやれるまでこぎつけてくれた。純烈のことも考えてくれて紙吹雪をやったり、いろんな歌い手さんの演出を頑張ったりしているのを見ると、あの熱量の中にいつまでもいたいなと思わせてくれる。だから、また紅白に出たいよね」(酒井)  初出場から3度目まで、純烈の控室はNHKホールを出て本社8階奥の部屋をあてがわれている。ステージまで徒歩10~15分かかるそうなのだが、2度目から「俺らはずっとここがいいな」と言っていた。  距離がある分、その間に本番へ向けての気持ちが作れる。小田井は「あそこから横浜方面を眺めると富士山が見えて、反対側にはスカイツリーが見えて絶景なんよ」と、小学生男子と同じ着眼点を惜しげもなく披露。  紅白には、画面越しのきらびやかな世界に収まらぬ魅力があり、またそれを経験することで純烈も力を与えられ成長してきた。だから何度出ても新鮮な気持ちでNEXTに向かえるのだろう。  そんなMCに対し、笑い声というリアクションは生じる。大声でメンバーの名を叫ぶことはできずとも、マスクを着用した上であれば許される。 「声を出さなくてのこの人数って、こんな感じなのね。なんかデビューしたての漫才師になった気分やな」(小田井) 「今日、初めて純烈を見に来たっていう人、どれぐらいいます? (挙手を見て)その方たちはコロナ禍の中で純烈のファンになってくれたんやねえ。でもペンライト、ほとんどが赤(白川)と緑(後上)や。小田井さんも俺も、腕ケガした方がいいんちゃうか?」(酒井)
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「セカンドバック」と揶揄された白川の肩のケガは……!?
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