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<純烈物語>288日ぶりの有観客ライブに込められた「80%でも純烈は前に出る」という姿勢<第81回>

<第81回>288日ぶりの有観客ライブ再開にこめられた「80%の形でも純烈は前に出る」という姿勢

 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の生配信ライブから8日後の11月13日、純烈は年明けの有観客によるコンサート日程を発表した。5会場における公演は、いずれも2020年に予定されていた全国ツアーが延期になった分である。  その一発目、2021年1月7日の相模女子大学グリーンホールが前年2月27日を最後に途絶えていた観客との再会の場となる。酒井一圭によると、年が変わるタイミングでライブを再開することを決めたのは、昨年の夏頃だったという。 「もちろんその時点で、2021年になってもいろいろあるのはわかっていたけど、ルールを把握した上で一つひとつのステージに対応していく形を採ろうと。2020年は、あまりにも先が予測できず、訳がわからなかったから早々にやらないと決めたんだけど、夏ぐらいになったら当初のわからない部分もなくなってきて対策を練られるだけの理解が得られていた。その上での判断ですよね。  じっさい、このライブ再開の数日前に政府が再び緊急事態宣言を出すということになったように、今もコロナは猛威を振るっている。だけど対策の仕方も人類はさんざん学んできた。大変な中で100%はできずとも、20%のことを諦めることで可能ならば、80%の形でやろうじゃないかと。その時点でのマキシマムで対応して、時々足踏みしながらでも前に進んでいくという姿勢をグループとして打ち出したかったんです」  リスク回避を大前提とした2020年は、言い方を変えれば「現実と立ち向かっていなかった」というのが酒井の受け取り方。その時点での正しい判断だったとしても、やれぬまま終わったものがあることに対し、素通りするわけにはいかないとの思いが残った。

紅白出場を後押ししてくれたファンに感謝の思いを伝えるツアーが……

 やり残したこととは、スキャンダルによってどん底にまで落ちながらも2度の紅白歌合戦出場まで純烈を押し上げてくれた全国のファンに、感謝の思いを届けるためのツアー。本来ならば、2020年はそれが活動の中心になるはずだった。  2度目の出場への御礼をしないまま3度目も現実となった今、よりメンバー4人は全国津々浦々まで足を運びたいとの思いを強めている。ライブ以外の活動で変わらずアクティブでい続けられた昨年ではあったが、いつまでもファンとのふれあいの場を失ったままでいるわけにはいかなかった。  その時点で情勢がどうなっていようとも、まずは足を踏み出そう。それを踏まえて対策をし、可能な範囲で恩返しをしていく。  通常スタイルによるコンサート再開を発表したあとも、酒井は現状におけるライブイベントのあり方を模索していた。12月7日よりパルコ劇場にて開催予定だった東山紀之主演舞台『チョコレートドーナツ』が、公演関係者の新型コロナウイルス感染により19日分までが延期となり、20日に改めて初日を迎えた。  知人である谷原章介が出演しているとあり、酒井は26日に足を運んだ。そこで感じたのは、自分が好きなものに対してどうするべきかを意識しながら観劇するファンの覚悟だった。 「谷原さんを応援するファン、東山さんが出ているからジャニーズファン、あるいは観劇ファンがこういう状況下だからこそ応援しようという思いがすごくて、素晴らしい光景を見たなと思えたんです。ある意味、神々しかった。大好きだからこそ、問題が発生しないように舞台を見る。それは翌日のDDTでも感じましたよね」  12月27日、DDTプロレスリングの後楽園ホール大会は“準烈”の秋山準がリーグ戦の優勝を争うカードが組まれていた。その日、酒井は次男のリクエストで東京ドームシティ内のローラースケートにいくつもりだったが、偶然にも取材に向かう筆者とバッタリ。  そこで思い立ち「ローラースケートは後回しだ!」と親の権限を一方的に行使し、父子でホールへと飛び込んだ。ジュンレツを名乗ることでプロレス界にもその名を広め、渋公でも協力してくれた秋山を応援する目的もあったが、他ジャンルのライブイベントがどんな形でおこなわれているか見ておきたいという嗅覚が働いたのだろう。  プロレス界では7月より有観客による興行が再開され、声出し禁止が守られている。この日も拍手による応援方法を徹底。どんなに攻防が白熱してきて思わず選手の名前を口にしたくなっても、どよめきにとどめて大きな声をあげていない。
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恒例の1・4新日東京ドーム大会で目の当たりにしたもの
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