<純烈物語>「紅白に出られても伝わらなければ忘れられてしまう」リーダー酒井一圭が緊急事態宣言下考えていたこと<第79回>
<第79回>結果的に2020年の純烈は例年以上にアクティブだった
新型コロナウイルスの影響により、スケジュール表がどんどん白紙となっていく中で、純烈はNHKの『クローズアップ現代』にとりあげられた(2020年4月22日放送)。「“イベント自粛”の波紋 文化を守れるか」というテーマのもと、酒井一圭がグループを存続させていけない可能性があると公言したため、反響が大きかった。
プロデューサーとして歌以外の活動を提案し、新たな仕事の中でメンバーやスタッフについてきてもらおうという考えが芽生えつつも、やはりみんなのメンタルが持たないだろう、ならば純烈をやめて全員自由になった方がいいのかも……と、葛藤が渦巻いていた頃だった。そのまま取材班に伝え流されたわけだが、それによって拓けたものもあった。
「やっぱり俺って、みんながクヨクヨしたり不安だったりした時に鼓舞して笑っているタチなんで、取材クルーさんが『酒井さん、もうちょっとトーンを落としてください』って言うの。そりゃそうだよね。俺、笑ってんだから。番組的には笑っちゃいけないのに。まあそれはそれで撮ってもらったんだけど、最後はクルーが『酒井さん、元気づけられました』って帰っていった。
それがオンエアされて、続けるかやめるかという話にファンがええっ!?となって、その反応をネットで見てやっぱりやめない方がいいという答えが得られた。じゃあ、続けるとなったら方法はひとつしかない。グループって存在自体が密だし、バラ売りするしかないだろうと。もともと純烈は、バラ売りするために組んだようなものだったからね」
白川裕二郎を口説くさい「紅白に出てハクをつけることで、このまま役者を続けるよりも高いステージに上がれるようになる。そういう道を進んで夢をつかむのもアリじゃないか」と言ったように、はじめから酒井は純烈に関し他のスキルを生かすためのタグとして考えていた。番組の反響はファンの間だけでなく、他のメディアまで及ぶ。ワイドショーでとりあげられるたびに「100本のステージが飛んで、今はYouTubeにDVDのダイジェストをあげています」とアナウンスした。
「グループを存続できないかも……」NHK『クローズアップ現代』出演の余波
酒井さん、もうちょっとトーンを落としてください
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxt、facebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売
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